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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
こんなセリフはどうです。
“私はある種の老人のように青年たちから理解されようとも思わない。又青年たちに人生教訓を授けようとも思わない。ただ人生を茫漠たる一場の夢と感じて死にたいのだ。そして人生を模糊たる霞の中にぼかし去るには耄碌状態が一番良い。というのはあまりにも意識化され、輪郭の明らかすぎる人生は死を迎えるにふさわしくない。活動的な大脳が生み出す鮮烈な意識の中に突如として訪れる死はあまりにも唐突すぎ、悲惨である。そこには人を恐怖におとしいれる深淵と断絶がある。人は完全なる暗闇に入る前に薄明の中に身を置く必要があるのだ。そこでは現実と夢がないまぜになり、現実はその特徴であるあくどさとなまぐささを失い、いっさいの忘却である死をなつかしみ愛撫しはじめる。” 森於菟の「耄碌寸前」の一節である。 彼は森鴎外の長男であり、ある時期まではひたすら医学の道を進むが、やはり血筋か、晩年には珠玉の随筆を紡ぎ出す。 「耄碌寸前」は71歳の時の作品だ。 アンチエイジングとは加齢とあらがうことでなく、老化といかに折り合いをつけるかだと僕は思う。 諦念ではなく、耄碌を死へのプレリュードとして、ユーモアを失わず受容する心境、まさにアンチエイジングの極致と言えるのではなかろうか。
by n_shioya
| 2010-11-29 22:55
| アンチエイジング
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Comments(2)
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ruhiginoue at 2010-11-30 00:51
やはり不老不死か、せめて百歳まで生きてその間は二十歳くらいの知力体力でありたいものです。
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n_shioya at 2010-11-30 22:27
ruhiginoueさん:
80まで年を重ねると、いくらか考えも違ってくるようです。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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