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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
ココナット グローヴ 大火
1942年11月28日。
ボストンのナイトクラブ、「ココナット グローヴ」は超満員の客でパンク寸前だった。
太平洋戦争の最中、その年の6月にはミッドウェー海戦の失敗で、日本海軍はほぼ全滅に近いダメージを受けながらも自滅的抵抗を続け、3年後の原爆投下を受けての降伏へと突き進む。
だが、ボストンのアメリカ市民生活は、戦争と無関係に “ビジネス アズ ユージアル”であった、夜の10時20分までは。

その時、クラブのデコレーションのライトが、飾りの棕櫚の木に引火して、火災が発生する。火はまたたく間に拡がり、僅か7分でナイトクラブが壊滅。約1000人が犠牲となり、その半数以上が死亡した。
有名な「ココナット グローヴの大火」である。
これを契機に熱傷の治療が急速に進歩したのだから、熱傷に関わるものはこの話を耳にするたびに、何ともやりきれない気持ちになる。

この火災の犠牲者の治療から得られた大きな教訓の一つが「下手に消毒しない方が生存率は高まる」ということだった。
それまでは、リスターの消毒法の開発以来、石炭酸のような強力な殺菌剤が火傷にも使われてきた。
ところが、丁度戦時中ということもあり、アメリカ軍は戦禍で大量の熱傷患者が発生した場合、いかに手を抜いて急速に全員の処置にあたれるか検討していた。
具体的には、消毒は一切せず、ワゼリン・ガーゼで唯くるくる巻きにするというプロトコールである。
このマニュアルをココナット グローヴの患者達に適応したところ、結果は従来の方法よりもはるかによいことがわかり、今話題となっている消毒法の根本的な見直しに繋がる。

間違えないで欲しいが、消毒剤を絶対に使うなということではない。
必要に応じて適切な消毒剤を使うことに何ら問題はない。
石炭酸やマーキュロのような、組織障害を起こすような強力なものは乱用するな、ということである。
又、通常の怪我には水道水で機械的に洗い流す方が、はるかに効果的だし、害も少ないということも今の常識になっている。
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ところで「ココナット グローヴ大火」の教訓は他に幾つもある。
以前、アメリカの熱傷専門医の仲間から、「ココナット グローヴ大火」のドキュメンタリー本を贈られ、そのままになっていた。
一寸わけがあって、それを今、積ん読の中から掘り出して読み始めたところなので、別の機会に御紹介したい。
by n_shioya | 2011-01-07 21:27 | キズのケア | Comments(4)
Commented by ruhiginoue at 2011-01-08 18:36
 うがいも、殺菌力は強くても組織に良くない薬を使わずに水だけでしたほうが良いという意見がありますが、どうなのでしょう。
Commented by n_shioya at 2011-01-08 22:31
ruhiginoueさん:
イソジン・ガーグルの効用については、どの程度エビデンスがあるのか、日ごろ気になっていましたので、調べてみます。
水で機械的に洗浄するほうが効果的かもしれませんね。
Commented by valkyries at 2011-01-09 16:44 x
先生、うがいは面倒です。外出から帰宅時にうがいをするまでもなく、外出時に常に水をこまめに飲んでおけば、喉に付着した病原菌を胃に流し込める、というのが私の健康法です。胃酸は強力なので病原菌は分解されますし・・・これってどうでしょうね?
Commented by n_shioya at 2011-01-09 22:29
valkyries さん;
頻繁に飲めばそれもよろしいのでは・・・


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