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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
蕗谷紅児
“金襴緞子の帯締めながら、花嫁御寮はなぜ泣くのだろう。”
昭和初期に流行ったこの歌が、これもまた昭和初期の人気挿絵画家、蕗谷紅児の作と知っている方はどれほどいるだろう。
何も僕はその知識を自慢しているわけではない、今日、横浜そごうの「蕗谷紅児展」を観て、そのほかにも僕の知らなかった蕗谷紅児像が多々あるのに驚かされただけである。
蕗谷紅児_b0084241_22203191.jpg

 「蕗谷紅児」と聞いただけで、胸キュンとなる昭和一桁は多数いるのではなかろうか。
竹久夢二のような肺病やみの女でなく、中原淳一のようなバセドウの目玉の子供でもなく、ひたすらに清楚で可憐な女性像を描き続けた。
挿絵画家としてしか知らなかったが、本物の画家を志してパリに留学し、サロン・ドートンヌにも入賞したという。
其の後家庭の事情で帰国。また挿絵画家に戻るが、画家として大成していたら、と惜しまずにはおられない。
ビアズレーやエロール・ルカインを思わせる画風だが、確かなデッサン、きれいな線描で、誰のでもない蕗谷紅児の世界が生まれたろうに。
蕗谷紅児_b0084241_22271122.jpg

当時、というのは大正から昭和にかけてだが、子供向けに数々の挿絵の名作家が現れた。
子供を愛らしく描く松本カツジ、戦争画の伊藤幾久造等々、そして高畠華宵なしには吉川栄治の傑作「神州天馬峡」は生まれなかったろう。

日本があの狂気の軍国時代に突入する前、僅かな期間だったが、「大正デモクラシー」と謳歌された時期があったのを計らずも想い出した。
by n_shioya | 2011-07-14 22:21 | 美について | Comments(6)
Commented at 2011-07-14 23:44 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by silku928 at 2011-07-15 08:03
きんらんどんすの~♪、母がよく歌っておりました。
懐かしい歌、画像、有難うございます。ハッとしました。
大きな、憂いを含んだ瞳がまたいいですね。
ちょっと異国にいるような気分になりました。

それほど、日本は変ってしまったのでしょうね。
猛暑続き、ご自愛くださいませ。
Commented by miya at 2011-07-15 22:53 x
「ひなげし」は可愛くて夢のある絵ですね。「睡蓮の夢」は洗練された雰囲気で所蔵していらっしゃる方が羨ましいです。
一時、現世のことを忘れさせてくれました(7歳の息子が「エアコンは28度にしなくちゃ駄目」と言って譲りません。学校教育恐るべし…)。
Commented by n_shioya at 2011-07-15 23:29
ハドソンさん:
新潟に蕗谷紅児美術館があるそうですよ、もっと遠いですが。
Commented by n_shioya at 2011-07-15 23:31
silku928 さん:
お元気ですか?
この猛暑に一服の清涼剤でした。
Commented by n_shioya at 2011-07-15 23:32
miya さん:
いかに学校教育から子供を守るか、又昔に戻った感じです。


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