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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
ここに一枚の絵がある。
風刺漫画家ドーミエの描く「銀行家」だ。 内臓脂肪か皮下脂肪かわからぬが、腹囲はメタボの極致だ。 何故脂肪が沈着しやすいか? かつて人類は動物の一員として、食物にありついた時は食べに食べて、インシュリンの働きで栄養分を脂肪として蓄積し、飢餓の時期に備えた。 それが飽食の時代が来ても、本来の動物性がはたらいて、肥満を惹起する。 しかも悪いことに、蓄積された脂肪は更に脂肪を呼ぶ働きを持つ。 同じように金持ちは、当初の動機が何であれ、蓄財するほどに金に飢え、幾何級数的に財産を増やそうとする。 金は生活を支え、豊かにする手段にすぎない。が、資産家にとっては金をためること自体が目的となる。そしてその金が又更なる儲けへと駆り立てる。 ドーミエのカリカチュアが、奇しくも金満メタボを体型メタボで具現させているのはさすがである。 僕がライフワークと考えている課題が「人間の愚かさの生理学的基盤」であることは以前触れたが、メタボもその一例である。 つまり、人間の生存のために必要な機能が、環境の変化に対応できず本人に不利益をもたらす例である。これが「人間の愚かさの生理学的基盤」の第一のタイプ。 第二のタイプとしては、ストレスに対応するメカニズムが、かえって病気を引き起こすこともある。これは想定以上のストレスが原因と言える。 又人間には、相容れない二つの本能が拮抗することもある。これを第三のタイプと考えよう。 例えば女性の場合。一旦妊娠すれば胎児の発育から出産、授乳に至る連鎖反応がスタートする。これを中絶することは、何らかの形で本人にキズを残す。 だが、仕事のためやむを得ず中絶する場合を考えよう。 女性でも自己実現のために仕事をしたい、というのもまた自然の要求と言える。 まだ、まだいくらでもほかのタイプや具体れがあると思われるので、おいおい彫りだしていきたいテーマである。
by n_shioya
| 2011-12-23 23:24
| アンチエイジング
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Comments(2)
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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