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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
読み始める前に其の評を書くというのは著者に失礼かもしれないが、この中国系アメリカ女性、エイミー・チュアが書いた「最強国の条件」は、序の文とあとがきだけでも、其の違例ともいえる行為を誘発させる魅力がある。
![]() まず序文から、 「(前略」 この本での私の主たる関心は、1990年代後半に、当時のアメリカを形容するのに使われていた『最強国』(ハイパーパワー)という概念である。 (中略) 『最強国』の歴史において、肝要は勃興と、また不寛容は衰退と、密接に結びついている。そうだとすれば、寛容政策を続けることによって『最強国』は何時までも世界を支配していられそうなものである。だが残念ながら、事はどうやら、それほど簡単でないようだ。 “衰退の原因は、寛容さによって撒かれるのが常である。” そう、すべての『最強国』の事例に置いて、寛容さは不寛容の源なのだ。そして寛容さはやがて天井にぶち当たり、『最強国』社会の中に対立関係と憎悪を生み出すことになる。何かをきっかけにして、ついには暴力の大波が襲いかかり、『最強国』の衰退がはじまる。 (後略)」 今のアメリカの苦悶を的確に言い当てているとおもう。 では、“アメリカが選択すべき未来”はなにか? それは、これからゆっくりと読ませていただくこととする。 最後にあとがきから、 「(前略) むろん、いくらアメリカが寛容だと言っても、それが極めて不完全な形に置いてであるのは百も承知だ。だが、現に私の両親は吸い寄せられるようにしてアメリカにやってきて、この地で成功をおさめている。アメリカ社会は、書くも貧しい中国系移民の夫婦が、大成功を収めることを許してくれたのだ。私たちはアメリカ人に同化していったが、それも自分たちで望んでそうした結果である。こんなアメリカは、やはり寛容な社会だと言わざるを得ないというのが偽らざる感想である。 (後略)」 帰化したアメリカ移民だけでなく、他国民の大方もアメリカに対して持つ愛憎の心情を、見事に言い表しているではなからうか。 ■
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by n_shioya
| 2012-01-30 22:51
| コーヒーブレーク
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Comments(2)
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日) 以前の記事
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