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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
脳梗塞のクラスメート
今日は相模原に行き、北里大学病院で佐藤登志郎君を見舞ってきた。
佐藤君は医学部のクラスメートで、6年間を共に過ごした仲で、その後北里大学で一緒になり、20数年を新設医学部の立ち上げに頑張った仲間である。
彼が医学部長、学長、理事長と言う大役を引き受けてくれたお陰で、僕は安穏と教授生活を楽しむ事が出来た。

三月に叙勲のお祝いを仲間内でした直後、脳梗塞に倒れ、一時は危うい状態だったが、幸いに一命を取り留め、今はリハビリに励んでいる。
そろそろ退院も考えていいところまで来たが、お家の方としては、自宅をバリアフリーにしても、門から玄関までの急な階段をどう切り抜けるかで頭を悩まされているようだ。

このところ、脳梗塞や心筋梗塞で倒れる仲間が多い。
心筋梗塞の場合は、バイパスなど手術で回復、完全復帰も期待出来るが、脳梗塞だと跡の後遺症で苦しむ事が少なくない。
最近,多田富雄氏の『寡黙な巨人』と言う、脳梗塞の闘病記を読んだばかりである。
体の自由が利かぬまま、意志の力でリハビリに励む壮絶な闘いに深く心を動かされたところなので、佐藤君も今日はニコニコと穏やかに休んでいるが、その心の内は如何ばかりかと、青春を共にしたクラスメートとしては、何とも言えぬ思いがこみ上げてきた。

原発事故に関して柳田氏は原発側の視点と、被害者側の視点は180°異なるものがあり、これからは被害者側からの対策を考えるべきと指摘されたが、病気、殊に脳梗塞の場合は同様な事が言えるのではなかろうか。
医師にとっては脳梗塞は、脳の血管が血栓で詰まり、脳細胞が壊死に陥り、その支配下の筋肉が麻痺する。そこまでが治療の対象である。
だが患者にとってはそこからが始まりである。自分に自由にならぬ肉体を抱え、家族に負担を強い、これからの生をどう生き抜くか?
様々な問題が血栓と言う要(かなめ)を中心に扇のように広がっていく。
だが患者と其の家族にとっては、問題はその周辺部がスタートである。血栓だの、麻痺など言うことは医療の詰まり向こう側の世界である。

この立ち位置のギャップをどう埋めるか。
まず、医師がそのギャップを認識する事から始めねばならぬだろう。
僕も能天気に、今まで向こう側の人間として病気を割り切って対処してきたが、改めてこちら側から眺めた病気が抱える問題の複雑さを感じさせられた一日だった。
by n_shioya | 2012-08-21 22:55 | 医療全般 | Comments(2)
Commented by 恵子 at 2012-08-22 06:11 x
お友達のお見舞いはなによりの
お薬でしょう。
先生は、お父様と同じく、あげMANなので
エネルギーを上げられたはずです。

リハビリ、5歳のとき
左手の複雑骨折でギプス処置が悪く、
指が3本も麻痺しました。
泣き喚いてやりましたね。
その後、簡単なショパン、出来るくらいに治りました。
おかげさんで。
ひじは、完全に伸びないけど
バレーしてないからいいかと思っています。

>医療の詰まり向こう側の世界
本職さんに言うのはなんですが、
カイロプラクティスいいみたいです。
薬に頼らねばならぬドライアイが
良くなりました。
でも、浮腫みはまだ効いてくれへん・・・
そちらでは、多摩市に有能なカイロプラクティス
があるそうです。
Commented by n_shioya at 2012-08-28 09:45
恵子さん:
医療の世界は医学が軸としても、もっともっと幅の広いものですね。


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