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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
「人間この未知なるもの」
b0084241_20445399.jpgこの機会に又アレクシス・カレルの「人間この未知なるもの」を読み返してみた。
名著である。
彼の洞察力には感嘆させられる。一世紀も前に,今我々が直面している西洋医学の問題点を的確に捉え,其の処方箋まで提示している。それだけでなく,文明社会の矛盾点を根本から掘り起こしている。

彼は19世紀から20世紀にかけて活躍したフランス生まれのカトリック医師である。其の主な研究生活はアメリカに渡ってから,ロックフェラー研究所で展開した.そして「血管縫合と臓器移植に関する研究」で1912年にノーベル賞を受賞している。
我々に最も馴染みの深いのは,臓器培養法の確立である。
この手法が、山中教授がノーベル賞を受賞して,今話題になっている再生医療の先駆けと言える。

今ひとつの著書「ルールドへの旅」も忘れてはならない。
医学生の頃、彼はルールドまで汽車で旅をする。
其の頃彼は信仰の危機にあった。
同じ列車には,明らかに結核性腹膜炎と思われる臨終間近かな患者が乗っていた。
彼は思う,もしこの患者が快癒したら「奇跡」である。
そしてルールドで其の「奇跡」を目の当たりにして,彼は信仰を取り戻す。

「人間この未知なるもの」で彼が最も強調しているのは次の事だ。
今の医学は,科学という迷信に毒されている。
科学は普遍性、再現性を前提とし,全てに数値化を試みるが,これは医学には当てはまらない。科学だけにこだわると,病気は抽象的な概念となってしまう。だが,病人は個別の,具体的な存在である。それを忘れてはいけない。
又精神と肉体は一体のもので,二元論的な考えはデカルトに始まった誤りと言える。
今叫ばれている統合医学の更に上を行く考えではなかろうか。

舌足らずの解説で申し訳ないが、今少しこちらの頭を整理して,この議論は続けたい。
by n_shioya | 2012-11-22 20:45 | 医療全般 | Comments(4)
Commented by peppy  at 2012-11-23 04:58 x
私も数年前に読み、とても感銘をうけて今でもそれは頭から離れません。先生の頭の整理がつきましたら、是非次の議論をお願いいたします。
Commented by HOPE at 2012-11-24 10:45 x
よくないこととは思いながら、ネットなどの新しい情報収集の方法についつい頼り、なかなか元のようにじっくり「書籍を読む」ということができない毎日。
まして「読み返す」など本当になかなか…
こうして書いておられることを拝読してまた反省しきりです
Commented by n_shioya at 2012-11-28 09:06
peppyさん。いずれは、「ひとの愚かさの生理学的基盤」というエッセイにまとめるつもりです。
Commented by n_shioya at 2012-11-28 09:10
HOPEさん。エーゲ海をボーッと眺めながら生まれたのがギリシャ哲学ではないでしょか。


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