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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
僕ぐらい、学校教育に根強い不信感を持っている男はいないだろう。
一つには、高校時代、教育制度の度重なる改変で、4年間に三度も入学試験を受けさせられた恨みがある。 しかもその以前には、敗戦による180度の価値転換で、小、中学教育で受けた理科以外のほとんどの教科書が全面否定され、墨で塗りつぶすという作業を強制された苦い経験もある。 それによって、保身のためには前言をくるりと翻す教師の醜い姿をいやというほど見せつけられた。 もっとも、生徒に合わす顔がないと教壇を去ったわずかの教師もいたが。 だが、そういった状況変化よりも、もっと本質的なのは、学校は教える側の都合によって組み立てられているということである。 そのために子供の伸びる芽は容赦なく摘まれていく。 たとえば脳の働きは、一時間ごとに、国語から数学へそしてまた歴史へと迅速に衣替えするようにはできていないし、それに適応することで、自らの問題発見と解決の能力は失われていく。 時間割など思い切ってなくして、その時その子が興味を持っている対象を、その時点の能力で対処できるまで中断せずに、ぎりぎり追及させるのが望ましい教育だと思う。 しかしこれには、個人教授に近い教師の数と能力が要求され、現実には不可能なことはよくわかる。 たしかに経済的な理由から医療の世界でも、クリニックや病院の運営は、医療従事者側の都合が優先し、患者の都合やアメニティは後回しにされがちなので、あまり大きなことは言えないが。 また、経済的な理由だけでなく、為政者の言いなりになる愚民を養成するために学校は役立っているし、その手先が「文科省」である。 本当に学生の思考能力を重視した智力を養成したいなら、まず、「文科省」を廃止し、教師に教科書の選択を含め、もっと自由度を与えることから始めるべきだろう。 霞ヶ関村の掟で汲々としている「文科省」の役人が、嘘八百の政治家と一緒に、徳育など説くのが噴飯もので、決して子供たちに良い影響は与えない。 僕が改めてこう言いだしたのは、大学を退職して10年たった今、やっと学校教育のくびきから解き放たれ、初めて自分の頭を使い、自由な発想を楽しめるようになったからである。 など偉そうなことを言うと配偶者からは、“要するに貴方、「被害妄想」から「誇大妄想」に変わっただけじゃないの”と言われそうな気がしないでもないが。
by n_shioya
| 2013-10-01 21:45
| コーヒーブレーク
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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