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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
この頃は天気さえ良ければ、庭の寝椅子に寝そべって、本を読んだり、空を眺めたりしていることが多い。
狭い庭だが、手入れを一寸怠ると、あっという間に蜘蛛の巣が張られてしまう。 ファーブルの昆虫記だったかに、その蜘蛛の鮮やかな仕事ぶりが書かれていたのを思い出す。まず放射状に縦糸を張り、次いでぐるぐる回りながら横糸を張り巡らす。 人の体というか人間の生命維持の巧みな仕組みを、ヨットの「復元力」や「羅針盤」などに例えてきたが、この「蜘蛛の巣」も人体の巧みを示唆しているのに気づいた。 蜘蛛の巣は放射状の縦糸とサークル状の横糸で編み目をつくっている。 縦糸が心臓とか肝臓とか各臓器に当たるとすれば、横糸は免疫系とか、ホルモン系とか各臓器を繋ぐ共通の系と考えられないこともない。 血液や神経系などは、横糸に入れた方がよいかもしれない。 ま、縦横はどちらでもよいが、僕が言いたいことは人体の各臓器、各系はこの網の目の様に繋がっているということだ。 そして蜘蛛は中心に陣取っていることあるし、辺縁部に隠れていることもある。 だが、どんな離れたところにいても、獲物がかかればその緊張はすぐに編み目の全体に波及し、蜘蛛はその緊張の源を察知しさっと獲物を捕らえる。 人間の体も同様で、一つの臓器、一つの系に起こったことは何らかの形で全身の系や臓器に波及すると思ってよい。 その為、医者によっては、自分の専門とする系や臓器をターゲットとして治療すれば、万病に効くと錯覚し、主張したがる方もいる。だが、これは我田引水というものだ。 我々医師には、この網の目の様な人体の各部位の連携を認識すると同時に、当面の震源地がどこか見極めるという、バランスのとれた判断と対処が要求されるのではなかろうか。
by n_shioya
| 2014-06-16 20:15
| アンチエイジング
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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