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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
テレビを見るともなく見ていたら、医師の斡旋業者の話をやっていた。
なんじゃない、「口入れ屋」である。医師も落ちたものだ。ま、昔から、医者、坊主、芸者と軽蔑された職業ではあったが、 それでも以前は医局という、芸者の世界で言えば「置き屋」に相当する格式高い機構が仕切っていて、医師の適性配置を行っていたが、10年ほど前導入された悪名高い研修制度の為に、置き屋ではない、医局が実質的に破壊され、行き場のない医師がうろうろし、勝手に東京など便のいい都会に集中するようになり、地方の医師不足が深刻な問題となったのである。 ![]() ま、昔は医者の世界はヤクザと同じで、一旦草鞋を脱いだら一生束縛されたものである。 反面、教授という、置き屋の女将に相当する人物が絶大な権力を施行して、過疎地に数年いれば、又、大学に戻して埋めわせをするということでバランスをとっていたようであるが、いまはその力を失ってしまった。 今一つ日本の問題は、病院がオープンシステムでない為、開業するには経済的に負担が多く、また検査機器の無駄も多い。 欧米、特にアメリカでは、開業医はオフィスだけ持てばよい。検査も入院も、契約した病院に任せて、そこに往診する。 つまり、患者は医師には診察料、手術料といった技術料だけ払い、入院料検査料は病院に払う仕組みなので、開業医の負担は少ない。 開業医が、検査機器から、ベッドまで準備するより、このほうがはるかに合理的といえるが、日本の保険制度では技術料があまりにも低く、検査漬けとベッドの差額でかろうじてつじつまを合わせているので、このオープンシステムは成り立たないようである。 医療が進歩すれば、必然的に医療費も高騰する。だが、財源に限りはある。 その限られたパイをいかに配分するか、これが今、世界各国が抱える悩みである。 そして高齢化社会に突入して問題はさらに深刻になっていく。
by n_shioya
| 2014-07-16 23:24
| 医療崩壊
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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