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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
ターナー氏と両下肢切断。
ターナー氏はアメリカ空軍の元パイロットだった。
チーフレジデントとして僕は、動脈閉塞のため腐りかけた彼の両足を切断せざるを得なかった。。
しかも、膝上での切断である。
70歳を超えていたが、幸い体力は頑健で術後の経過は順調だった。
退院後は「車いすの生活」は余儀なくされるが、本人は,出来れば「両足義足での歩行」も強く希望した。

このようなとき,アメリカの病院では関連各科を交えた合同カンファランスで方針を討議する。当該科、外科部長、リハビリ、看護部,そして家族も交え。
整形外科部長は慎重と言うかいささか退嬰的な男で、主治医としての僕のプレゼンに対し、高齢でリスクも大きいから義足は止めた方がよい、とブレーキをかけた。
其のとき,真面目一方で“スマイリング。チャーリー”とあだ名された外科部長が怒鳴りつけた。
“本人が強く希望し,体力もあるとき,お前は医師の義務を放棄するのか!”
このようなカンファランスでは、相手が誰であろうと,又,メンツにはこだわらず意見をぶつけあうのがアメリカの大学の面白さである。
その後装具が造られ、(フォトの左端)リハビリの指導で車いすと義足の併用に習熟し,無事社会復帰を果たした。
ターナー氏と両下肢切断。_b0084241_188412.png

半年程して、我々夫婦はニューヨークの隣のバーモントに住むターナー氏の自宅に招かれた。
食事の後、両手だけでの運転可能に改造したフォルクスワーゲンで、秋景色のバーモントの野山をスイスイと案内してくれた事を、庭の紅葉を眺めながら思い出している。
by n_shioya | 2014-11-09 18:09 | 手術 | Comments(0)


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