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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
これは前にも書いたかもしれないが、医者でも自分の場合には医者選びには苦労する。 まず、医者であると、医療の裏側を知りすぎている。 世間的には名医で通っているがその実・・・、とか、あいつは手術は熱心だが、症例を増やして教授選を有利に運ぼうとしているとか,この治療はメリットに比べてリスクは無視できると患者には説いても、自分が受ける身になるとやっぱりリスクにこだわったりなどなど。 しかも、こと手術に関する限り、他科の医師の実力など、執刀する姿を見せてもらわない限り、分かるものではない。 また、手術の腕のよしあしは、色々な要素を天秤にかけて決まるので、一概に誰が名手とは言いにくいこともある。 更に教授職にあれば政治的な配慮も必要になる。 他大学には自分の抱えている疾患の名医がいると分かっても、同僚の面子を立てて自分の大学で受けざるを得ないとか。 そのため日本ではあそこが一番と誰もが知っていても、仲間を裏切るわけにいかず、ホノルルへ逃避したりした教授もいた。それはたまたまホノルルに名医がいたからでもあるが。 ところでこれからどこか医者にかかりたいが、というご相談のときは、まだ幸いクラスメートでも現役がいるのでそのつてか、また、後輩や弟子たちを通じて探してあげることにしている。 だが、どなたでもやはりかかりつけの医師というのを持つべきと思う。その人のライフスタイルをのみ込んで、また、家族構成も熟知してくれてる医師が。 昔は内科の開業医がそういう役目をしていた。今は内科医もそれぞれの専門に分かれてしまった。 だから逆に、かかりつけ医師は何科でもかまわない、必要に応じて専門医に紹介するだけの器量とネットワークを持っていれば。 数年前に始まって物議をかもしている2年の研修制度も、また、プライマリーフィジシャンという職種も、すべての医師に交通整理の基本能力を持たせるためのものとして、色々と問題はあるが育てていかねばならぬだろう。
by n_shioya
| 2016-03-18 21:36
| 医療全般
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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