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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
おっくうという病
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文化村のドゥマゴでムール貝とニース風サラダをつまみながら、池内紀のエッセーを読んでいる。題して「おっくうの系譜」。年をとるほどに全てがおっくうになってくると池内さんはいう。友達を会うことも、音楽会に行くことも。僕も思い当たらないではない。本当に些細なこと、着替えたり、ヒゲを剃ったり、果ては磨わったり立ったりの動作が。どういうわけか食べることだけは未だかっておっくうに感じたことはないが・・・加齢とともに全ての機能は低下する。若い時には無意識にできたことが、意識して、事柄によっては反復する必要があり、全ての動作を大儀に感じてしまうのだろう。でも不思議なことに、一旦始めると体も心も動き始めてくれる。大事なことは意識してともかくスタートすること。そしておっくうがらずに新しいことに挑戦すること。これが心の老化を防ぐ、つまり「心のアンチエイジング」のコツかもしれない。だが池内さんによれば、このおっくうという感覚は決して忌まわしいだけでなく、人間の根源的な気分に通ずるもので、“ボードレールはヨーロッパの文学遺産をちりばめて、自分をみまうアンニュイ(憂愁)の時を詩にうたった”といわれる。だからおっくう症の老人を笑ってはいけないともおっしゃる。“髪がうすく、やや猫背で、足元が少しおぼつかないその人は、それと知らずパリの憂愁詩人を生きているのだから。”
by n_shioya | 2017-11-18 21:45 | アンチエイジング | Comments(0)


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