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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
緑の親指
二月初旬というのに春のような陽気である。
そろそろパンジーを植えなければという配偶者のお供で、サカタに苗の買出しに行った。
配偶者は庭弄りが好きで、ほっておけば一日中庭仕事をしている。
ペットと同じで草花も、世話する人の気持ちを見抜くようで、彼女の手にかかると皆生き生きと育つ。頂き物の蘭なども温室もないのに毎年花を咲かせ、お陰で蘭の鉢は溜まる一方である。
こういうヒトをGreen Thumb(緑の親指)を持っていると言うようだ。
緑の親指_b0084241_10583336.jpg

僕も昔小学生の頃は園芸に凝っていたことがる。戦時中で肥料など手に入らなかった時代だ。おまけに世田谷の我が家は赤土で、しかも南側に高い家が建っており、日当たり風通しも悪かった。
その頃澁谷の父の診療所には祖父母が住んでおり、もう隠居していた東北出身の祖父は畑仕事が得意だった。堆肥も自分で作り、鶏糞などもどこからか手に入れ、百合だの苣だの立派に育てていた。
一度行商から買った百合の球根を分けてもらい、祖父と同時に世田谷にも植えたことがある。
やっと綺麗な花を咲かせ、喜んで祖父を訪ねたら、向こうの花は倍近くの大きさで色もずっと鮮やかなので、がっくり来たことがあった。
は入れ替えることが出来ても、日当たりと風通しはどうしようもない致命的なファクターだと思い知らされた。

戦争が終わるとやがて苗や球根やそして肥料も少しずつ手に入るようになり、薔薇やチューリップ、グラジオラス、ダリアなどで庭を埋め尽くすことが出来るようになった。
黄色の大輪のピースという新種が時代を反映して人気を呼んだのもその頃である。又、外人演奏家の走りで来日したソプラノ歌手、ヘレン・トローベルは、その名を冠した薔薇があるというのが園芸家の間では評判になった。僕のお気に入りはノクターンだった。濃い深紅の大輪で名前にみせられたのと、虫がつきにくく又我が家の土と相性がよいのか、余り手がかからなかったのである。
ヒアシンス水栽培もしばらくつづけた。これこそ水を時折替えるだけで、全く手がかからない。
後に研究で細胞培養を始めるようになり、なかなか言うことを聞かぬヒト細胞と格闘し、よくその頃のことを思い出したものである。

その後、本業が忙しくなり、患者の皮膚移植や細胞培養に終われ、植物まで手が回らなくなってしまった。
この数十年、庭仕事どころか、小枝一本きろうとしない僕に配偶者は愛想を尽かし、いくらかっての花つくりの栄光を披露しても信じてくれない。
最近は少し気分的にも余裕が出来たので、この辺で昔取った杵柄を、と密かに思っている。
“僕の緑の親指よ、永の眠りから覚めておくれ!”
by n_shioya | 2007-01-27 18:08 | QOL | Comments(2)
Commented at 2007-01-28 08:09 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2007-01-28 10:50
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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