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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
ようやく手錠ではないリストバンドから解放されて、一昨日虎ノ門病院から無事帰宅した。
先週の水曜日に入院し、木曜日の午後宇田川部長の執刀で鼠径ヘルニアの手術を受け、術後経過も順調でめでたく退院となったのである。 入院前、ヘルニア、ヘルニアと騒いでわかったたのだが、最近はただヘルニアというと腰痛の原因の椎間板ヘルニアを指すようである。 どこを切るので? そりゃお腹ですよ。というと相手は怪訝な顔をするので、ははあ、と気がついた。 素人はともかく医師の場合は、お腹を開けて腸を掻き分け背骨に到達する椎間板ヘルニアの新しいルートかと驚くようである。 僕のは鼠径部、又の付け根のあたりの腹筋が弱まり、腸が外に脱出する昔の脱腸である。まだ外科医の間ではただヘルニアと言えばこれをさすことが多い。脱腸というとあまり色気がないので、美女軍団の目に触れるこのブログでは使用を遠慮してきた。 虎ノ門病院で入院どころか治療を受けるのは初めてだが、評判どおりなかなかいい病院だ。 最近の私立のデラックスな病院のように、アメニティが完備しているわけでないが、必要なことが効率よく運ばれ、スタッフの動きも温かみはあるが無駄はなく、安心して身を任せることが出来た。 ヘルニアの手術は腰椎麻酔で行われる。 要は緩んだ筋肉に穴が開いて腹膜の袋が腸を包んで飛び出すわけだが、昔は無理して筋肉を寄せたので再発が多かったが、最近は人工のメッシュで閉じるので治りも早いし再発も少ないという。 手術時間は30分ほどだったろうか、薬でうつらうつらしている内に終わってしまい、痛みも何も感じなかった。 僕のは左側だったが、勿論左右どちらにも起こりうる。 つらかったのは手術当日は絶食だったのと、腰椎麻酔が切れてから膀胱の留置カテーテルを除去する時の痛みと、その後しばらく続いた排尿通である。 自慢ではないが僕は生まれてから食欲がなくなったことは、覚えている限り2回しかない。 一度は子供の時の両側性肺炎で、二度目はアメリカでインターの時、破傷風のワクチンでショックを起こしかけたときである。 無事退院という時、クラスメートの秋山元名誉院長が立ち寄って励ましてくれた。 “おめでとう。気に入ってくれてよかった。でも塩谷君さあ、どうせ又右もそのうち出るから又いつでもおいでよ。” 持つべき者は良き友である。
by n_shioya
| 2007-03-01 11:56
| 手術
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Comments(4)
退院おめでとうございます。
こちらにコメントさせて頂いた直後に交通事故に遭い、 今ようやく目を通すことが出来るようになりました。 ブログでこのようなコメントをすることは非礼と重々承知の上 お伺いしたいことが・・・ 同乗していた母が右頬粉砕骨折と目の下から顎にかけて 縫い傷が残り、地元の歯科に行きましたら今後 口の開きが悪くなるので手術が必要と診断され 家族一同途方に暮れている次第です。 事故は1/17 他に背中の肋骨6本と右鎖骨骨折の安静状態です。 インフォームを受けたくてPCで検索するも余りにも情報が多く こうして塩谷さんにお聞きする術しか思い当たらず、無礼を承知で お尋ね致しました。 迷える子羊を助けると思って糸口でも示していただければ幸甚です。
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at 2007-03-01 20:26
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
apple
at 2007-03-02 22:34
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こんにちわ。わたしも現在虎ノ門に入院中で、リストバンドをしています。これすごいですね〜。すべてバーコードで管理されててびっくりしました。面白いけど、早く解放されたいです(笑)
ハイテクで無駄がないけど、程よくあたたかみもある。先生のまさにおっしゃる通り。とてもいい病院だなと感じました。 忙しい毎日でカラダと心のケアが足りなかったなぁ、などと思いながら院内を散歩したり、人間ウォッチングしています。 たまにはひと休みも必要ですね。
Commented
at 2007-08-06 23:35
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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