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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
劇場の手術
手術場はアメリカではオペレーティング・ルームだが、英国人は気取って?オペレーティング・シアターという。
直訳すれば手術劇場ということになるが、最近では神聖なる手術場も、テレビのお陰で政治の世界同様、小泉劇場ならぬワイドショウの見せ場となってしまった。

啓蒙の具としてテレビは活用さるべきはいうまでもない。
だがこと美容外科に関しては、興味本位のいかさまとは言わないが、やらせも横行しているようだ。
昔は美容の手術はこっそりと受けたもだが、最近の若いのはモニターと称して、ただで手術を受けられ、テレビにも出られるというので結構希望者があるという。
又、出演する医師もテレビ写りがよくて話がうまいのが好まれる。腕は二の次とは言わないが、中には結構いかがわしいのも多い。
もっと割り切って、プロダクション所属のワイドショウのタレントになったのもいるそうだ。

それが世の趨勢という奴ならそれもやむをえないかもしれない。ただ気をつけなければならないのは、先ずテレビ局は視聴率がすべてである。啓蒙は二の次だ。
又、美容外科は自由診療であり、科の性質上口コミが期待できない。
しかもわが国の広告規制は阿呆らしいほど厳しく、専門医の資格や、経験などは一切広告できないことになっている。
したがって患者さんは、テレビの露出度が多いほど名医と勘違いしてしまう。
したがって広告に投資するほど、患者のリターンは増加する。
某チェーン店の院長など、収入の半分以上を広告に使っていると豪語している。
健全な企業ならありえないという。

そのしわ寄せはどこに?
当然医療の質と、従業員の搾取であり、それが患者に何らかの形で還元される。
勿論医事紛争も絶えないが、スキャンダルも宣伝の内と開き直るタレント並の医師もいるので救いがたい。

劇場の手術_b0084241_20425089.jpgなど、相も変らぬ美容外科学界の恥部をあげつらったのも、近着のアメリカの学会誌で、美容外科のテレビ番組の功罪を分析した報告が、エール大学から発表され、どこでも同じ問題を抱えていると分かり、またその内容がなかなか面白かったたからである。

これから必要なのは、学界とテレビ業界が提携して、今のワイドショー的な扱いから脱却して、メディアの特性を善用した、美容外科に関する正しい啓蒙活動をスタートさせることではないだろうか。
by n_shioya | 2007-09-01 19:48 | スキンケア | Comments(0)


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