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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
電通通りの新橋よりに“たくみ”という民芸店がある。
![]() 医学生の頃、進駐軍の軍医のお供で始めてそこを訪れた。 今と変わりない店内には、益子の陶器、松本家具、藍染めなどが所狭しと置かれていた。 これがあの民芸かと、一種のカルチャーショックを受けたのを思いだす。 遠くからおそるおそる眺めるノータッチの芸術品と違い、手に取り心行くまで手作りのぬくもりを楽しめる。 あの、といったのは民芸の提唱者の柳一家が親父の患者で、あいつはガラクタばかり集めおって、とゴルフ以外のものには価値を認めない無趣味な親父が常日頃くさしていたからである。 だが不肖の息子は民芸にはまってしまった。 その後は銀座に来ると、二階の窓際のコーヒーショップで、松本家具に腰を落ち着け、益子のコーヒーカップで、ドリップコーヒーと胡桃の砂糖漬けを味わったものである。 更には例の軍医の案内で、益子を訪れもした。 まだ先生と呼ばれる人は浜田庄司だけで、島岡さんなどは庭のござの上に作品を並べて、気に入ったのがあればどれでも持ってけよと言った感じのよき時代だった。 以来僕は“たくみ”という言葉にこだわるようになった。 ただ切り取ってつなぐだけの野蛮な一般外科と違い、最後まで仕上がりにこだわる形成外科医こそ外科医の中の匠ではないか。 北里大学の頃、教室の雑報のタイトルを「たくみ」としたのもその表れといえるし、今でもまだ、優秀な形成外科医の集団、“グループ匠”というのを結成できないかとこだわっている。 技術だけでなく、美的センスもあり、倫理観の裏づけのある形成外科医の集まり。 なかなかハードルは高いですな、まず提唱者が不適格だといわれるのは承知の上だが。
by n_shioya
| 2007-09-20 23:59
| QOL
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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