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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
僕は今、お気に入りのカフェで、コーヒーブレークを楽しんでいる。
この店の自慢のブルーマウンテンスペシヤルに、カップの縁からゆっくりとクリームを浮かべ、忙しかった神戸の学会を回想しているところだ。 10年前、一体何人集まるだろうかと心配しながらスタートした学会が、その後大ブレークして今回は参加者が過去最大で6000人を超したのではないだろうか。 専門的な発表もさることながら、僕が一番感銘を受けたのは最終日の最後の特別講演、アグネス・チャンの「私のターニング・ポイント」~男女共同参画社会実現のために~であった。 実は我が家には去年までテレビはなく、新聞もいまだにとってないので、世事に疎いことおびただしく、アグネス・チャンも名前ぐらいは聞いたことはあるが、まあいわゆるジャリタレのたぐいと思い、立派な歌手であることも、ました其のボランティア活動さえ知らなかった。 だが、彼女の特別講演は大したものだった。 これほど思いのたけを、ストレートに本音で訴えかけるとは、しかも間に歌も交え。 子供時代から数々の壁にぶつかりながら、其のたびに成長し、現在は日本ユニセフ協会大使として、発展途上国の子供たちに手を差し伸べ、その悲惨な現状をあらゆる手段でアピールしている。 中で最も心に残ったのは、「“不幸せな時”というのは、気がつくと“自分のことだけを考えている時”です。」という言葉だった。 それは誰でも頭では分かっている。だがただの説教ではなく、彼女が自分の体験として、悩みを抱えたとき、他人の苦しみを受け止め、手を差し伸べることで救われてきた生き様を、切々と語るとき、場内はシーンと静まり返った。 そして我々が飽食でメタボ対策などノー天気なことを叫んでいるときに、難百万という子供達が餓死して行ってると言う恐ろしい現実。 そして「男女共同参画社会実現」のために、もっと男性が協力的になってほしい。家事を主婦に任せず、もっと助けて欲しい。 “この点で一番後れているのは日本の男性です。”と言われて全聴衆の中で一番堪えたのは、このブログの著者であったろう。なんせ、自慢ではないが、生まれてこの方、料理、洗濯を含め、家事には一切手出ししたことがない夫なので。 後で、彼女は「子育て論争」とかとかく物議をかもし、人によって好き嫌いはあるとも聞いたたが、昨日の彼女の話は立派だった。 とあれ、色々な意味で先週の学会が僕にとっても「ターニングポイント」になることは間違いない。 森口会長、素晴らしい学会、本当に有難うございました。
by n_shioya
| 2008-09-01 17:16
| コーヒーブレーク
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Comments(9)
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icelandia at 2008-09-01 22:33
実り多き学会でよかったですね。お目出度うございます。
私も海外(特にアイスランド=男女平等指数世界一)に出て初めて、自分自身で男女差別をしていることに気づきました。第一、男性に家事の「協力」を求めるようではダメで、やって当たり前の風潮になりたいものです。男性の家事労働に対して感謝はしても、後ろめたく感じたりしてはダメなのですが、私も日本女性として育った身なので、考え方をシフトするのには大変な努力が必用で、正直未だシフトしきれていません。 私からも、素晴らしい学会を有り難う御座いました。
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aseamoon at 2008-09-02 01:54
私が日本に帰りたくなくなる一つのキーは まさに(済みませんが)家事さえも協力しない「日本の男性」です。
そういう方々ばかりではないでしょうが そういう形を作って維持している社会の中に生きている 日本のプロフェシャルな女性はどんなに 苦労しているだろうか 時間を費やしているだろうか…と 思います。 あくまでも 個人的な意見ですが、 アメリカは人種差別がありますが 男女間の格差は日本ほどひどくはないと思います。アメリカでは 働いている女性が大半なので パートナーが家事を手伝ってくれたほうが 働きやすいですよね。 我が家の息子は中学生のころから 友人が家に泊まりに来ると 男の子達だけで食事を作ってくれます。トーストやベーコンや卵を焼いて フルーツをそのまま洗ってくれるだけですが…どの子達も両親が働いているので 小さなころから家事をする事に慣れているのでしょうね。 洗濯も高校生になってからは自分でするのが わりと当たり前です。 高校生にもなった息子の下着や服を洗う事は 息子達が言うに…プライバシーの侵害だそうです。 ところで 先生メールをお待ちしています。ご都合いかがでしょうか? アヤメ
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icelandia at 2008-09-02 02:26
話は逸れますが、Exciteの公式ブログのリストの並び順が変わったようで、私のところはナントぶっちぎりの一番上の左端(なぜ?)。塩谷先生は、新ブログの女王しょこたんと(ほぼ)ツーショット状態です!Exciteのスタッフも内容をキチンと読んで、話題の美女を隣に配したのでしょうか。感心。
http://www.exblog.jp/top/officialblog.asp 上記URLがリストになっています。気づいたのでご報告まで。
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きのこ組
at 2008-09-02 08:20
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おかえりなさい。
たしかに、私も半世紀近く生きていると、”いい女”よりも”いい人間”になりたいと思いはじめます。でも、それが何かはわかりません。 うーん、台所で男性にうろうろされると”うざったい”と思うときもあります。ふふ
先生、「男女共同参画」が話題に出たところで、私が関っているイベントを紹介させてください。
「働く女性のための環境改善」をテーマに、在日米国商工会議所(ACCJ)関西支部が10月18日(土)神戸メリケンパークにて「ウォーカソン」を開催します。国際色豊かで楽しいイベントになりますので、是非ご参加を。 www.accjwalkathon.org
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n_shioya at 2008-09-02 16:39
icelandia さん、aseamoonさん:
早いうちに「日本男児」をやっておいて良かったなど言うとどやされそうですね。
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n_shioya at 2008-09-02 16:41
きのこ組 さん:
そうなんです。決して女性の領分を侵したくないという思いやりなんです、といっても信じてもらえるかな。
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n_shioya at 2008-09-02 16:41
valkyries さん;
早速サイトを覗いてみます。
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icelandia at 2008-09-02 17:12
どのような形であれ、双方がハッピーであれば問題ありませんよね。育った環境や世代の違いもあるので、今更先生が家事を手伝ったところで奥様は困惑されるだけでしょう。ただ、奥様が倒れられた時、ご自分が困るのではと心配するだけです。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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