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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
ともかくハチャメチャな男である、このジョン・ハンターと言う奴は。医学に多少とも関わっている方で、ジョン・ハンターを知らない方はいないだろう。 18世紀のイギリスの解剖学者、そして外科医。 僕はちょうど、アメリカならボストンのビーコンストリートあたりにオフィスを構えたハーバードのスタッフにも通ずる、気取った英国紳士をなんとなくイメージしていた。 とんでもない。社交界だけではない、医学界の慣習をまったく無視して、ひたすら解剖と手術に没頭した、型破りの男のようである。 実は今朝から「解剖医 ジョン・ハンターの数奇な生涯」を読みふけっている。後100ページだが、このまま読み続けると、夜を徹することになり、ブログにアナがあくので、小休止。 初めて聞く話ばかりで、ただ、唖然としている。 むこうは土葬である。外科医の修行や研究には遺体が必要だ、それもなるべく新鮮な奴がいい。 そこで外科医は闇社会と結託して、昼間埋葬された遺体をよる盗掘する。 ジョンにはやはり外科医のウィリアムという兄がいた。其の手先として長年遺体を調達し、また其の腕を買われて、兄の解剖学教室の手助けをする。 まだ外科医は内科医からは医師とみななされず、床屋と同列に置かれていた時代である。 勿論、麻酔も無菌法もない時代である。 当然手術は無麻酔で、素手で行われ、患者の大半は、痛み、出血、感染で死亡した、想像を絶する時代である。 内科医にしても、やることといえば、瀉血、下剤、そして嘔吐剤の三つしかなかった。 ハンターの偉いところは、既成の概念にとらわれず、自分で観察し、理詰めで対処法を考えたことである。 正統な教育を受けていなかったことも幸いしていた。(ちなみに僕も学校は大嫌いだった。もし学校教育で芽を摘まれなかったら、もっとましなことが出来てた筈だと、いまだに確信している。) 彼が近代外科学の父といわれるゆえんである。 何事でも、いつの時代でもパイオニアーは迫害を受け、イカサマ呼ばわりをされる。 僕もずいぶんこれまで、医者ともあろうものがといわれてきた。 形成外科を始めたときでも、美容外科に手を出したときも、そしてまたエステに関わったときも。さらにはアンチエイジングですら。 だが、ハンターの伝記を読むと、もっと罵声を浴びるようにならなければ、一人前とはいえないようだ。 今からでも遅くはない、これからは顰蹙を恐れず頑張ろう。 (配偶者曰く:顰蹙をかえばパイオニアーになれるわけじゃありませんよ!)
by n_shioya
| 2008-09-20 22:50
| 手術
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Comments(12)
ハーブの歴史で 1860年ごろコカの葉からコカインを分離、当時画期的な麻酔薬で外科医療の発達に大きく貢献した、と聞きました。それ以前は大変だったのですね。いつもとても楽しいブログをありがとうございます。
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紙一重の人なんですね。一点集中型の天才で、手段を問わないし、周囲が見えないし、見えないからこそ集中できるのでしょう。凡人には奇人に映るけれど、奇人には凡人が奇人に見えたりして。面白いからといって、あまり夜更かしなさいませんよう。
華岡 青洲やその妻の物語
知り合いのおじいさんは戦場で盲腸の手術を麻酔なしでした自慢話 などなど、先生のブログを読ませてもらって思い浮かびました やはりお医者様はすごいです いつの世も必要なのです
溢れ出る好奇心、既成の概念にとらわれないところが素晴らしいです。
奇人、変人を通り越して、もちろん天才なのでしょうね。 ジョン・ハンターという名前も、何だか挑むようで素敵ですね。(笑) ところで、 彼の死後、彼は誰かの手によって解剖されたのでしょうか? 能科学者は、彼の脳の具合、知りたくて仕方がなかったのでは...。 ちょっとそんなことも思ったりもしました♪。 そして、奥様の言葉は、いつも最高です!
『何事でも、いつの時代でもパイオニアーは迫害を受け、イカサマ呼ばわりをされる』 その通りですね★ どんな事でも先駆者と呼ばれる方は多くの賛同をもらえるまで 想像の付かないほどのツライ思いをされるのだろう~と、次元は違うかもしれませんがよく理解できます。 世間からの顰蹙など恐れず 信じるものを追求していく事の魅力を先生のブログから感じる事が出来ました。 今日もブログでも一つ漢字を学べました『顰蹙(ヒンシュク)』 ありがとうございました(^。^ゞ
先生、がんばってもっと罵声を浴びてください。
それが人類のためです。ふふ
元気が出そうな本ですね。中卒の僕にはたいへん興味ある話しです。
icelandiaさん:
貴女こそ夜更かしは止めて、といいたいのですが、朝一でコメントを見つけるとスッカリ嬉しくなります。
さぼてんの花さん:
麻酔にまつわる伝説は色々ありますが、徐々にご披露しましょう。 ただ、世界で始めてエーテル麻酔が成功したのはハーバード大学で、今の其の手術塔がエーテル・ドームという名で、学生講義の場になっています。
きのこ組さん:
最近では罵倒されないとかえって心配になる、ねじれた心の持ち主になってしまいました。
vicoprofenさん:
一般の方が読まれても、むしろ医者以外の方がもっと、もっと楽しめる本だと思います。
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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