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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
11月三日というのに朝から曇り空である。
起きぬけにブログを覗くと、コメントも0でいささか気持ちも曇りがちである。 このところ、帰りが遅くブログに十分書き込めず、またコメントへの御答も簡素になりがちだったのが響いたのかもしれない。 それに連休である。皆様紅葉狩りにでもお出ましになったのと自分を納得させ、コメントに対する御答えの補足を兼ねて、雑感をつづることとする。 Commented by きのこ組 at 2008-11-02 00:50 一歩譲ってもし本当に不老不死がありえるとしても すべてのものは”終わり”があってこそ美しいのだと思うのですが。。。 センチメンタルすぎますか? お答 同感です。 窓辺の一輪ざしに、ひと月前のバラがまだ咲き続け、いまだに枯れる気配もありません。何か違和感さえ感じてきます。 以前、特別な加工をした花で、一年はもつという切り花を頂いて、はじめは珍重しましたが、そのうちに疎ましくなったのを思い出しました。 その極端なのが造花と言えますね。埃をかぶった造花ほどおぞましいものはない。 終りがあってこそ美しいというのは、決してセンメンタルとは思いません。 “敷島の大和心”はいささか時代遅れとしても、「風姿花伝」の“秘すれば花なり。秘せずば花なるべからず。”という言いにも通ずる思いではないでしょうか。 Commented by アヤメ at 2008-11-02 01:52 先生の唱える「アンチエイジング」の根底は”美しく老いる”ということですか?それとも不老不死に近づくということですか?こんな質問失礼でしょうか? お答 まず、僕の考えでは、人は“不老不死”などはあり得ないと思うからこそ、その言葉を気楽に使えるのだと思います。 前にもこのブログで取り上げましたが、本当に不老不死が可能になったらどんなに恐ろしいことになるか、早い話が狭い地球に人は溢れ、食料も枯渇してしまう。その結果は?と考えると慄然となります。 本気で不老不死を目指す学者の頭を疑います。 また、成長と老化は一連の現象で、不老という場合、どの時点で成長を止めることになるのでしょうか、それとも永遠に成長を続けるのか、考えるほどあほらしくなります。 さて“美しく老いる”ですが、確かに抗加齢への反論として、“美しく老いる”という考えもあっていいのではという議論もよく出ます。 ただ、女性の場合、美しさイコール若さという暗黙の了解が、本音のことろであるようです。 ミケランジェロのピエタを思い出してください、あのキリストよりはるかに若く彫りだされたマリアを。 形より心と説く精神の王国バチカンでも、女性を描くには“形の美しさ”を重んじ、しかもそれを“若さ”によって描きだすことを認めている事実です。 だが、マザーテレサを見て、ちょっとしわ伸ばしの手術が必要では、などと思う馬鹿な美容外科医もいないのも事実です。 この辺に“美しく老いる”ことのカギがあるのではないでしょうか。
by n_shioya
| 2008-11-03 21:38
| アンチエイジング
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Comments(18)
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さぼてんの花
at 2008-11-03 22:55
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わたしも連休は"ミーハーのおっちょこちょい"ということで
ちっともじっとしておりませんでした 1300M級の日帰り登山とグリーンの芝刈りなど 先生 うなずくばかりのお返事です 最近お見受けいたしませんが、俳優 山城新伍氏の言葉に 「女の人は見た目の年齢でいい」と わたしはそのフレーズが忘れられません 毒舌ではっきり物言いの方でしたが、たしかにわたしもそう思います だから少しでも実年齢よりも見た目若くいたいですし、努力したいです でも限界はあるでしょう フェイスリフトも興味ないですし でも間違っても「いくつにみえますか?」なんて野暮は言わないわ
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こでまり
at 2008-11-04 07:25
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かなり昔の映画で、美女(実は魔女)が死んだとたん、美しい容姿が老婆に変わっていくというシーンがありました。とっても怖かったのを覚えています。。。でも本人は死ぬ直前まで「美しい」と言われてちやほやされれば幸せなのかもしれませんね。女性の場合、外見美は愛を得る機会が多くなる、と信じられてることも大きいような気がします。人は親切にされれば優しくなれるのも真実。人は人との関係において生きていくものなのですね。
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vicoprofen at 2008-11-04 08:04
コメント残せなくてすいません、、、風邪でお腹下して数日凹んでいました。私は目ではものを見ないのであまり美は関係ありません。今月公開「ブラインドネス」是非見てください!
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Doc.K
at 2008-11-04 08:45
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昨日戸塚でゴルフしました。同伴競技者は皆初対面でしたが、どう見ても70歳前後と思っていた方が、突然「私は66歳だが、君は?」と尋ねてきました。「私来年で64歳ですが」。彼が、私よりたった2歳年長で、5歳は老けて見えた原因を考えていたら2ホールほど終わってました。
①(スポーツの)ルールの習熟度とその順法精神 ②同伴者に対する気配り ③プレーへの没頭度 ④服装・歩き方 などが、ことゴルフプレー中の見かけのアンチエイジングでは大切と思いました。 先生、頑張ってくださいね、いつも応援です。
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きのこ組
at 2008-11-04 11:46
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やっぱり人間の外面の美しさへの憧れは”本能”だと思うのです。
ただ、聖職者のマザーテレサは、人間として成し遂げたことが 誰も否定できないほど素晴らしいから故、彼女の顔の皺が問題に ならないのか、それとも、聖職者と言うイメージが彼女のしわしわ顔を 許すのか、どっちが先かわかりません。これがイメージをうる女優だったらどうか。。 聖母マリアもある意味ではイメージが重要で、もし”鬼瓦”のような顔していたらこまる。 内面が先か外面が先か。。やっぱりわかりません。 この際、”自己満足”の世界でいいことにします。ふふ
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at 2008-11-04 12:19
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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アヤメ
at 2008-11-04 12:23
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先生がおっしゃっておられました 医療は最後には神との対話だ と言う事をしみじみ感じます。毎日患者さんに会った後 家に帰る車の中で毎日 毎日 今日 自分がしたことを神と向かい合います。色々教えてくださって 本当にありがとうございます。 心から尊敬しています。
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御隠居@横町
at 2008-11-04 16:06
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不死となると時間の感覚変わるでしょうね。
宇宙に終わりはあるのでしょうが、その時は意識も消えてしまうので、それについては語れないでしょう。 CERNのLHCが再開して想定外(?)の大きなブラックホールが生じたら、人類全滅でしょうが、そういう物理条件の変化があれば、意識などは真っ先にとぶので、恐怖感はないでしょうね。
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n_shioya at 2008-11-04 20:28
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n_shioya at 2008-11-04 20:35
さぼてんの花さん:
確かジェームス・ヒルトンの「われた地平線」はなかったでしょうか。 そしてまた、二歩のの男は褒めるのが下手だと定評があるようですね。 なにもイタリア男まで行かなくても、少しは我々も努力せにゃ、と思うことは思っていますが。
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n_shioya at 2008-11-04 20:38
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n_shioya at 2008-11-04 20:39
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n_shioya at 2008-11-04 20:45
きのこ組さん:
僕自身割り切れないのは、ピエタを使って本音で行こうと、美容外科を自分に納得させながら、でもマザーテレサがもし、しわ伸ばしを希望したらという仮定を設定した時なのです。 まずそんなことはあり得ないが、というのが前提に来ます。とすると、やはりまだ僕自身、形より心という価値判断から逃れられないことになるからです。 ま、人それぞれ価値観は違って構わないし、それに優劣をつけるのが間違っているとも言えますが、やはりどうもしっくりいかない。 人間てのは矛盾に満ちた存在ですね。
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n_shioya at 2008-11-04 20:48
アヤメ さん:
マイケル・ジャクソンの勝手でしょう、と言ってしまえばそれだけですが、正直、グロテスクですね。 ちなみにあの手術をしたカリフォルニアの美容外科医を一度日本に呼ぼうという話もあります。
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n_shioya at 2008-11-04 20:59
御隠居@横町 さん:
この問題とかかわっていると、生と死、時間と空間といった命題を避けては通れなくなります。 今僕を一番悩ませているのは、意識とは何か、その座はどこかということです。 CERN,LHCのことは今少し勉強をいたします。 “死とはモーツァルトが聴けなくなることだ”とアインシュタイン(モーツァルト学者でなく物理学者の)が言ってますか、ブラックホールとはモーツァルトも吸い込んでしまうものなのでしょうね。
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vicoprofen at 2008-11-05 01:35
「シティーオブゴッド」と「ナイロビの蜂」は御覧になられましたか?ブラインドネスの監督の作品です。どちらも最高傑作なので、是非観てください。
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kyoma
at 2009-02-25 14:11
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n_shioya at 2009-02-25 23:10
kyoma さん:
あれは一種の中毒かもしれませんね。 彼の場合は商売がらみかもしれませんが、普通の人が止まらなくなって手術を受け続けることを、polysurgeryと呼んで、一種の病的な状態と考えています。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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