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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2009年 03月 20日 ( 1 )
ケータイ文化
ケータイが新しくなったので、今度は何としても使いこなそうと今必死である。
たかがワイシャツのポケットに入る薄っぺらな玩具のような器械に、大枚五万円をはたいたのだから。
そして今、その機能に圧倒されている。

まるで、パソコンデジカメを合体させたような代物だ。
フォトなど、4年間ブログ用に使い続けたデジよりはるかにシャープである。
又、メールも、あの親指操作だけは一生しまいと思っていたが、仮名を一つ打つだけで、それを頭にした文字や文章までずらっと画面に現れ、それ以上親指で操作しなくても、ほとんどはその中から選択するだけで済んでしまう。

だが、反面、あまりにも横着になってしまうのに気づき、愕然とした。
つまり画面に出ない言葉は省略して、あるものだけをつなぎ合わせて、意味さえ通ればお茶を濁してしまうようになるのだ。
なるほど、これがケータイ文学の発祥のゆえんか。

これが人間の思考過程や、情緒の発達に与える影響を考えると恐ろしいことだ。
たとえば「好きだ」という言葉を例にとろう。
現実にこの言葉を使うには、それなりの覚悟がいるはずだ。
書き記そうとすれば、手が震えてしまう。口にしようとしても舌がもつれるというのが、昔の若者の経験ではなかろうか。
そして考えあぐねた末、云わないで終わることが多い。

ケータイだとこうなる。
3がさ行である。これを三回押すとで始まる文字ダダーっと飛び出し,その中には、「好き」があるだけでなく、すぐそばに「すごく」が並んでいる。
この二つを選択して、決定すればあいてには「すごく好き」と送られてしまう。
これは単なるキー操作で、感情の入る余地がない。
だが、受け取った方はどうだろう。ナンバー3のキー操作ではなく、やはり言葉として受け止め、それなりの感情の動きも生じうるのではなかろうか。

話は飛ぶが、湾岸戦争の時のピンポイント爆撃は、射撃手にとってはコンピューターで照準を合わせ、ボタンを押すだけの操作で、破壊された目標の悲惨な情景とは無縁で、コンピューターゲームの感覚で殺戮することができたという。
ケータイの恐ろしさも本質的にはこれと同様ではなかろうか。
これはどう見てもサイボーグの通信手段であって、血の通った人間のコミューニケーションにはなりえない。

と言いながらもやはり便利さには負けて、親指とキーだけの無機質文化には嵌まり込んでいる今日この頃である。
by n_shioya | 2009-03-20 22:55 | 美について | Comments(11)




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