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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
2013年 01月 30日 ( 1 )
手術場のプリマドンナ
形成外科医の定義とは、“世界中で俺一人しか形成外科医はいないと思うのが形成外科医”だといわれている。
また脳外科医などは、年中脳をいじくりまわしているせいか、自分と神様の区別が付かない人も多いようだ。
ま、多かれ少なかれ、外科医はそういった人種である。
それだけの自負がなければ、あのストレスには耐えられないかもしれないし、いい仕事は出来ないかもしれない。
外科医は手術場の「プリマドンナ」と呼ばれるゆえんである。
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オペラの「プリマドンナ」は皆がマリア・カラスほどでなくても、自己顕示欲が強く、嫉妬深くエクセントリックな女性が多いという。
外科医もそうである。
また、ちょうどハンドルを握ると人格変化を起こす人が多いように、外科医もメスを握ると人格変化をきたす人がある。
普段温厚なのに、怒鳴り散らしたり、文字通り助手を足蹴にしたり。
問題はエクセントリックであることが、手術の名手の条件と勘違いする奴がいることである。

昔の外科教授はひどかった。
ハーケン(鈷)と言って、手術野を広げる先が曲がった篦(へら)のようなものだが、それでたたかれるのは当たり前で、気に入らないとメスで切りつけたり、“世界の外へ出て行け”、など矛盾だらけのことを叫ぶ教授もいたようだ。
卒業して入局先を決めるとき、当時の東大の第二外科には十数人の希望者がいたのに、第一外科には2,3人しかいなかったことがある。
理由は単純だった。“第二外科の木本教授は注意するときに耳元でささやいてくれるが、第一外科の清水教授は怒鳴りつける”といううわさがまことしやかに流れたからである。
これでは入局者の数があまりにもアンバランスなので、我々の間で調整はしたが。

外科医として僕がどんな振る舞いをしたか、「岡目八目」というくらいだから、当人には分からないだろう。
ただ、必要なときは「叱り」はしても、「怒り」はしなかったつもりだ。
なぜなら、自分の気持ちをコントロールできなければ、メスを握った指先のコントロールも失うというのが僕の信念だったからだ。
だがこれも、あらためて昔の助手に聞いてみれば、“先生はそのおつもりだったかもしれませんがねぇ”、と言葉を濁されてしまうのが関の山かもしれない。
by n_shioya | 2013-01-30 20:33 | 手術 | Comments(2)




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