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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
カテゴリ:手術( 47 )
シリコンバッグ解禁
近着のアメリカ形成外科学界のニュースレターに、豊胸術用のシリコンバッグFDAで解禁になった報じられていた。
やれやれやっとか、日本の厚労省が今後どうでるか、どうせ又だらだら先延ばしにするだろう、というのがかってこの問題で振り回された者の感慨である。

話は十数年前に遡る。
シリコンバッグによる豊胸術を受けた患者が、異物反応で胸は無残に変形し、挙句に膠原病になったとテレビで変形した胸をさらけ出して、悲惨な状態を訴えた。
これが全米のメディアの取材合戦を引き起こし、日本の形成外科学界まで巻き添えにする騒ぎとなり、やがてFDAがバッグの使用許可を取り消し、シリコンバッグのメーカーは自社製品が使用されたすべての患者に賠償を余儀なくされ、遂に破産してしまった。
あとでこの患者はもともと膠原病があって、すべては悪徳弁護士と、テレビ局の仕組んだやらせ、それに乗ったFDA長官の点数稼ぎ?だったことが分かる。
以来、シリコンバッグはわが国でも禁止に近い状態がつづいてきた・・・

とここまで書いてきたが、この問題はもっとシリコンによる豊胸術の景を説明し、アメリカでの今回の決定内容を詳細に吟味したうえで、わが国での今後の方向性まで話を煮詰めないと誤解を招きそうなで、改めて冷静に取り上げることとする。
by n_shioya | 2007-01-25 23:24 | 手術 | Comments(0)
安心してかかれる美容外科を目指して
昔、“君たちをこれから社会に送り出すのは、狼の群れの中にを放つような不安を覚える”と卒業式の祝辞で述べたた東大総長がいたような気がする、いや、いなかったかもしれないが、現役のころ、僕は医局員美容外科の開業に踏み切るたびに、そのような不安を覚えたのは事実である。

だからこそ、一昨日横浜で食事を一緒にした聖愛クリニック西村先生達のように、水戸という決して地の利には恵まれていない、だからこそニーヅは大きいところで、立派に開業を成功させている弟子たちを見ると、拍手を送りたくなる。
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東大総長の卒業の訓示は純真な卒業生たちに、現実の社会にはさまざまなわなや落とし穴があると警告を発しているわけだが、美容外科の場合はどうか。

昨今の報道で分かるように美容外科は魑魅魍魎の世界である。しかもこれは今に始まったことではない。
技術ももたず、医師としてのプライドも捨てた恥ずべき輩が横行している。
現役の頃僕は、そういう輩の犠牲になった、かわいそうな患者さんたちをいくらも見せつけられてきた。

なぜこのようなことが起こったか?
医師免許さえ持っていれば、誰でも美容外科は名乗れる。もっともこれは美容外科に限らず、法律で定められた標榜科名なら一般標榜といって、医師なら、全く修練を受けていなくても、何を名乗ってもよい。専門医の資格が必要とされるのは麻酔科だけである。
②勿論ほかの科でも専門医制度があるが、法律上は自分が専門医であることを広告できない。
③通常は患者の口コミが一つの評価になっていくが、美容外科の場合は自分が手術を受けたことは隠したがるのは当然で、口コミが成立しない。
④したがって患者は、誰が専門医か、誰が患者の立場で評判がいいか知るすべが無い。
⑤そのためマスコミ、特にテレビに露出度の多いほどいい先生と思いがちである。だがこれはで買えるものである。
⑥美容外科は自由診療である。保健医療が苦しい今、言い方は悪いが、美容外科は唯一うまみのある診療かとして目を付けられている。
⑦こうして、全く経験の無い、メスを持ったことがないどころか、一度も患者も診たことも無い医師でも、美容外科の看板を掲げ、収入の半分以上も広告費に投ずれば、患者を集めることは可能であり、あげくのはては無理な手術も強行し、トラブルをおこすことが珍しくない。
⑧こうして良心的な、立派な技術を持った医師でも金任せの宣伝合戦には太刀打ちできず、まさに悪貨が良貨を駆逐しているのが現状である。

にもかかわらず、美容外科は形成外科の大事な分野であり、又患者のニーヅは増大する一方である。
僕としてはやはりまだ老骨に鞭打って、僕の育てた羊たち、そして世の患者さんたち狼の群れから守り、健全な美容外科を育てなければと感じている。
西村先生、頑張って!
by n_shioya | 2007-01-24 23:25 | 手術 | Comments(3)
美容外科の異変
このところ米国の美容外科の世界に異変が起きている。

今まで美容外科ナンバーワンだった皺伸ばしの手術が、脂肪吸引に首位の座を渡したのである。それに伴って、脂肪吸引だけで生業を立てている美容外科医も増えているようだ。
と、同時に進んでいるのが、患者のそして医師のメス離れである。

肥満体といってもアメリカ人のは数百ポンドといったけた違いの太り様であり、それとくらべれば日本女性が気にする肥満など可愛いもので、むしろ痩身願望のほうが異常といえる。
日本人の場合は減量のための脂肪除去というより、体形を整えるぐらいに考えたほうが無難だろう。
したがって日本では脂肪吸引の患者はアメリカに比べはるかに少なく、専門の医師も数が少なく、我々も吸引希望の患者の紹介先に苦労する。

メス離れ皺伸ばしの分野で著しい。
かつては顔の皮をへっぱがして吊り上げる、いわゆるフェースリフトしかなかったが、最近はケミカルピール、レーザー、ヒアルロン酸、ボトックスなど、メスを使わない方法が続々と現れてきた。
効果はもちろん手術に劣るし、永続性もないものが多いが、患者にとってはやはり切られるより、お化粧感覚でリピートしても、ということになるようだ。
しかし、小じわや筋肉の収縮で出来る皺は別として、本当のたるみはやはり手術で取り除く以外にない。

近着のアメリカ形成外科学会のニュースでは、このメス離れ現象に触れて、二つの対立した意見を掲載している。

まず、これからますますメス離れが進み、形成外科医もメスを捨てて、美容皮膚科に転向せざるを得ないだろうという悲観論
それに対し、手術以外の方法を続けているうちに、患者もやはりこれ以上は手術をしなければ改善されぬと悟り、又外科医に戻ってくるという楽観論

いずれにせよ形成外科医もメスだけにこだわらず、手術以外の方法もすべて自家薬籠中のものとし、まずは患者の要望に柔軟に対応することが、政策上大切ということでは両者の意見は一致していた。

日本の場合はどうだろう?
元来があまりラディカルなことを好まぬ国民性だし、手術を避けたい気持ちは万国共通なので、メス離れはますます加速していくのではないだろうか、メス一丁で渡世してきた形成外科医としてはいささか残念な気もするが。
by n_shioya | 2006-10-08 20:59 | 手術 | Comments(0)
神の手
そう、僕も脳外科医になるはずだった。

米軍病院でインターンを終え、フルブライト留学生にとして渡米が決まった時、脳外科の清水健太郎教授、通称シミケンに相談に言った。
アメリカに行くような奴は俺は採らん、言下に断られた。
それに反し、心臓外科の木本教授はああいいとも、但し日本に帰ったら又新兵からはじめることになるけれどね。

そういう訳でどうせ日本に帰る気はなかったが、木本外科に籍をおかして貰って渡米した。
そして結果的には形成外科医として帰国し、こうして定年まで日本にもたもた居ついていてしまったのである。

今日は東京クリニックの開設記念パーティが大手町のパレスホテルであった。
日本一の脳外科治療のセンターになるというふれこみである。
なぜなら其の中核として、今“神の手”とマスコミでもてはやされている米国在住の脳外科名手、福島教授をお迎えすることになっているからだ。
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最近では脳外科も進歩したが、僕の頃は外科医の憧れる花形の分野だったが、結果は惨憺たるものだった。
昼夜を分かたぬきつい仕事の連続で、結構死亡率が高く、運悪くではない運良く助かっても体や顔面が麻痺して廃人同然になる、まあこれ一生やれるのは、よほど楽天的な奴だな、と言う受け止め方だった。

しかも脳外科医にはこちらの偏見かも知らないが、特にアメリカでは結構傲慢な奴が多かった。手術のストレスもあるが、脳をいじくっていると、神様と自分の区別が付かなくなるのではなかろうか。
勿論日本では北里の脳外科の教授のようにこれとは正反対の人格者もたくさん居られるが。

それやこれやで僕は形成外科の手造りと言うか、手工芸的な魅力を選んでしまった。
其のことは決して後悔していないが、ふと思うことはある、もし僕が脳外科医になっていたら?
決断力に乏しく、スタミナにもかけているこの男は、患者にとっては神の手どころかせいぜいが悪魔の手先ぐらいで終わっていたかもしれない。
by n_shioya | 2006-10-01 18:24 | 手術 | Comments(1)
解剖学の薦め
最近どういうことかリスカ(リストカット)が増えている。
流行っているといったほうがいいかもしれない。

僕の創傷治癒のサイトにも、ほとんど毎日といっていいほど、リスカの傷跡の相談がくる。
ほとんどが若い女性のようだ。
ある夜など、夜中までに5件も続けてカウンセリングに入り、ぞっとなった覚えがある。
だが、ほとんどがいわゆるためらいキズで、浅く無数に傷をつけただけのようだ。
形成外科の立場から言うと、実はこれが一番修正に難儀するとは、前に一度書いた覚えがある。

本当に自殺する気があるなら、思い切ってスパッとやってほしい。しかも脈を取るときに触る手首の動脈を狙って。(もちろんこれは冗談
ところがこの動脈,指を動かす10数本の腱の横に隠れているので、よっぽど解剖に熟知してないと、腱ばかり切って命は助かってしまう。
もちろん助かるのは結構だが、この腱をつなぎ合わせるのが大事業で、一本一本つないでいくと夜が明けてしまう。

を切るときも解剖の知識は必須だ。
ターゲットとすべき頚動脈はあごの下に隠れており、初心者はしばしばのど笛をかき切って、つまり気管切開をして声が出ないまま、ヒューヒューさけびながらERに担ぎ込まれてくる。
気管切開の修復はそれほど困難でないが、初志貫徹できずに恥をさらすようなよう悲鳴は聞くに堪えない。

外科学は解剖に始まり、解剖に終わる。

今日の話はこれから医学に取り込もうとする学生に、一見無味乾燥な解剖学の重要性を納得させる為にときたま引用する例であって、医師である僕が決して自殺を奨励したり、幇助することなどありえないので、念のため。
by n_shioya | 2006-09-22 21:50 | 手術 | Comments(0)
手術の上手下手
手術を勧められているんですが、本当に必要ですか。とかあの先生で大丈夫ですか。など聞かれることは医者なら年中あることだ。

突然手術しましょうといわれれば、誰しも不安になるのはわかるが、これまでは主治医を差し置いて他の医師の意見を聞くというのは遠慮があったようだ。
又こちらも診察もせず、検査データもなしにあまり無責任なことは言えず、僕個人としてはよほどのことがない限り、医師を変えるのは賛成でないとお答えすることが多かった。

しかし最近では医師のほうも、インフォームドコンセントの立場からも、他の方のご意見を聞かれても結構ですよ、と患者の気持ちを尊重して協力的になってきたし、そのためのセコンドオピニオン外来を設けるところも増えてきたのは結構なことである。

ただこれが、手術のうまい下手の判断となると、自分の専門領域であっても、その外科医の手術に立ち会わない限り、学会発表や論文だけでは決めかねる。
また、世間の評判などあまりあてにならないことは、この僕でさえ名医といわれたこともあるからお察しがつくでしょう。

手術のうまい下手には色々なファクターが絡み、そう簡単に客観的に評価できるも出なく、まして数値化できるものでもない。

昔は盲腸の手術など、傷跡の長さで素人は推し量っていた。短いほどうまい手術だという錯覚である。よく2センチほどの切開から、魚を吊り上げるように盲腸を取る名人の話を聞いたことがあるが、これはこぶしが入るほど十分に切開して、腹部の中を精査し無理なく盲腸を取ったほうがリスクが少ないという、アメリカの正統な外科の立場からは邪道とされてきた。
ところが最近は内視鏡手術といって、数ミリの切開で遠隔操作で胃がんの手術まで行ってしまう。変われば変わるものである。

手術時間も早ければよいというものではない。麻酔のリスク導入覚醒のときで、いったん麻酔がかかれば、麻酔時間が1時間だろうが10時間だろうがあまり関係ない。
だから、だらだらメスを振り回すのが良いというわけでなく、同じ結果を得られるなら早いに越したことはない。

だが形成外科の場合は、デザインを色々考えながら手術を進めるので、結果的には麻酔医をいらいらさせることも多いし、いったん縫い終わっても気に入らなければ、ばっさり糸をはさみで切りはずし、器械出しの看護師がデートに遅れそうで半ベソをかいてもそれは無視して、受針器を持ち変えシコシコと縫い直す勇気根気も必要である。
僕が名形成外科医であれなかったのは、一に看護師思いだったからだといえば、いささか身勝手な弁解になるだろうか。
by n_shioya | 2006-09-16 18:40 | 手術 | Comments(1)
まずカルテを治療せよ!
講演の準備は夜なべして何とか間に合ったが、本番ポカをやらかした。
眠気覚ましにコーヒーを飲みながら、左手にマイクを持ち、右手でレーザーポインターとパソコンのキーを操作しているうち、うっかりコーヒーカップをひっくり返し、キーボードにかけてしまった。
突然画面が乱れ、一瞬呆然となる。
じつは2年前、同じようにしてIBMのラップトップを一台駄目にしたことがある。今日のはキーボードがセパレートなので、しばらくして誤作動も解消したが、其のショックでこちらの脳細胞の誤作動はしばらく続き、残りの話はメタメタになってしまった。

b0084241_592770.jpgだが、誤魔化すわけではないが、僕の前の三輪先生のお話は素晴らしかった。
美容医療分野における法律問題」というタイトルである。

要はこの訴訟時代に医師は余りにも無知で無防備である。
又、医師はとかく医療行為から事故へと下流に向かって自己弁護を試みるが、今は結果責任であり上流に遡って追求される時代である。
其の場合、最も重要なことはカルテの記載である。患者とのやり取り、検査結果等はすべて細大洩らさず記載するようにとの事である。

詳しいことはちょうど3週間前に出された御著書「美容医療の法的基礎知識」をお読みいただきたいが、僕はすぐ50年前の留学直後のカルチャーショックを思い出した。

救急室勤務の夜、子供が自宅でラジエーターかなんかの角に頭をぶつけ、連れてこられた。
見ると小さなこぶで、僕なんかも小さい頃年中造ってたただのこぶである。一通りの診察を終え、異常もなさそうなので、レントゲンを撮ることなど思いもせず返してしまった。

次の朝早速、僕は院長に呼ばれた。
何故レントゲンを撮らなかった?
骨折はなさそうだし、無駄な放射線被爆はかえって害があると思ったので。
それがいかん。紳士の国日本ではそれですむかもしれないが、アメリカは訴訟の国。もしあとで子供が同じ部位に骨折をしたとき、昨夜じつは骨折があったのを見逃していたたと言われても、証明するレントゲンがないと負けてしまう。
同じように、黒子でもアテロームでも、一見して悪性でないと思われるようなものでも、必ず病理検査に出して、悪性でないことの証拠を残すように。後で其の患者が癌になって原発巣が不明なとき、あのときの出来物がじつは癌であって、その取り残しが転移したと訴えられても、病理標本無しでは抗弁できない。

最後に駄目押しのように言われた。
“この国では患者を治療するのではなく、まずカルテを治療するように”と。


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  書籍名:美容医療の法的基礎知識 Q & A
  著 者:三輪亮寿
  価 格:¥4500

  =連絡先=
  RHC USA Corporation 日本支社
   tel:03-6230-3720
   fax:03-5575-7078
   mail:ugai@rhc-net.com
   担当者:鵜養
by n_shioya | 2006-08-20 21:24 | 手術 | Comments(3)




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