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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
厚労省の「無為無策」と「欺瞞政策」により、ここ数年で大量の介護難民が発生すると危惧されている。
その“走り”を今まさに体験させられている。 始まりはちょうど2週間前だった。 「特養」からの連絡で、親父が肺炎の恐れがあるから入院させたいという。その為に開設された隣接する病院は満杯なので、救急車を呼んで探してもらうが、という知らせだった。 それでたらい回しが始まっては救急隊に申し訳ないと、知り合いの院長に無理をお願いして都内の病院に入院させてもらったことは、先日報告したとおり。 その後、MRSA(メチシリン耐性葡萄状球菌)の軽い感染が発見されたが、手厚い看護で何とか小康状態を保っていた。 ただこれ以上、たとえば気管切開だの、送管だの、昇圧剤の使用など、過剰な治療は不要という誓約書を主治医と取り交わしたのが先週のことである。 そのこと自体、何か“死の宣告”をした様でもあり、家族の一員としては複雑な気持ちであったが、現場の医師としてはもっと苦しい事態になるのでは、とあれこれ思い悩んだものであった。 その主治医から夕べまた連絡があり、今後のことについて話し合いたいという。 まだ電話でのやり取りの段階だが、こういうことだ。 まず、このまま今の病院においておくことは難しい、できれば「長期療養型」の病院でケアを続けるようにしたい。だが、それもすぐ空きが見つかるわけでは無いが。 かといって「特養」に戻せる状態ではないし、また「特養」の部屋をキープすることは、経費の点と何年も待っている入居者のことを考えると、もったいない。「特養」は元来は終の棲家という建前なので、家族のほうから契約解除を申し出て欲しい、ということだった。 今の保険制度では、入院が2週間以上になると入院料が減り、一月になると更に激減して病院の赤字に繋がることは承知している。また、確か全体の平均入院日数が20日と超えると、病院全体の保険点数にひびく仕組みになっている。 また、「特養」では医療行為は禁止され、医師がいても役に立てないという矛盾を抱えていることは2週間前にはじめて知った。 問題は「長期療養型」の病院で,医療保険は使えるが、維持費として月20万から40万円はかかるという。しかも今でも数は足りないのに3年先には半減させるのが厚労省の方針のようである。 そこで大量の介護難民の発生が予想されるが、それは厚労省のかかわり知らぬところだそうだ。 要は繰り返し言うように、理念のない“霞ヶ関の村民”が、机の上の数あわせで、ひたすら経費削減を図っているだけのようだ、それももっと“巨額の税金”を無駄遣いするために。 ■
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by n_shioya
| 2008-02-29 22:03
| 介護
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ところでより腕の良い“魔法使い”になるために、1973年に北里大学で形成外科を始めるに当たって、僕はまず次のことを試みた。
それは皆でデッサンを勉強することである。といっても、絵が上手になるのは必ずしも目的でない。 カルテに患者さんの顔や、手術操作をスケッチするから、絵はうまいにこしたことはないが、目的は観察眼の養成にある。言葉を変えれば、如何に自分の目が不正確かをしってもらうことにある。 そして、多少なりとも美的センスが養われれば、それに越したことはない。 週に一晩、専門家に指導を仰ぐ。これを三カ月続けると、結構デッサン力がつく。始めは静物画、そして最後は自画像で締めくくる。 これを毎年続けるうち、副産物として面白いことを発見した。自画像がその人の性格を暴露するものである。例えば性格的にバランスのとれた男は、やはりバランスのとれた顔を描く。ある時、頭はキレルが、はらはらするような手術ばかりする男がいた、その自画像はゴッホそっくりだった。 よし、これからは採用試験の面接に、自画像描きを入れようという話にまでなった。 ■
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by n_shioya
| 2008-02-28 22:10
| 手術
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美容外科を受けようかと思い悩む方達の迷いの一つに、後ろめたさという思いがあるようだ。
医師の側でも、これは医療だろうか、医師のやるべきことだろうかと、未だ割り切れぬ感じを抱く者もある。 「身体髪膚これ父母に受く」 この孔子の言葉にずいぶんと我々は邪魔をされてきた様な気がする。 「あえて毀傷せざるは孝の始めなり」、と来るからかなわない。 だから、“メスで傷を付けるのは邪道である”、という短絡的な昔の内科医の発想に繋がるからである。 元来は、親からもらったこのからだ、大事にしなさいよという至極当たり前の教えのはずなのだが。 ぼくの父も内科医として、その外科に対する偏見は共有していた。 医学部に最初の夏休み、しきたりにしたがって僕は無銭旅行に出掛けた。 二週間の放浪を終えて、帰宅すると、どうも家の中の様子がおかしい。お通夜でもないが、薄暗く静まり返っている。 すると母が出てきて、実は “お父さんが盲腸炎で危ないとこだったのよ” という。 手遅れで穿孔して腹膜炎を起こし、やっと峠を越したところだという。 “なあ、お前。今度は俺も降参したよ。” と青白い顔をして、ベッド寝たまま、うめいている。 やっと腹膜炎おさまったところで、そのころ煙突と称していた、細いゴムの管が腹に未だ刺さっていた。 そこまで手術を敬遠したわけではないだろう。唯、診療に追われ、自分のからだまで手が回らなかっただけとはよくわかったが。 父も内科医として、必要あれば抜かりなく、外科医に患者をゆだねていたわけだから。 しかし内科にとって、外科に廻すというのは、自分の治療の敗北という感じが、全くないとは言えないようだ。 その気持ちも、わからないではない。 最近では、もうそこまでかたくなに“孔子の教え”を拡大解釈する人は居ないだろう。 たとえ命に別条なくとも、機能を回復する手術も盛んに、幾らでも認められている。骨関節の手術、耳鼻科眼科、泌尿器等、癌でなければ、ほとんどが機能改善の手術と言える。 だが、形のために、つまり見栄えのために、あえて危険をおかしてまで手術を何故するかという考えは、残念だが未だ未だ多い。 それも、火傷や交通事故の傷なら兎も角、全く正常なからだにメスを入れるとは、それも虚栄心のために、けしからん話しだと考える人が未だ多いのではないか。 こうした疑問に対して、自分なりに納得の行く回答を模索をし続けてきた。 そして得た答えが、次に述べる“魔法使い論”である。 もし僕が魔法使いで、杖で一寸触って呪文を唱えれば、たちどころに美女に変身するのなら、おそらくその力を行使するのに何の躊躇もしないだろう。 ならば、魔法使いと美容外科医の違いはなんだろう。と考えた。 当たり前のことだが、我々の手術は魔法ではない。痛みは伴うし、傷は付けるし、そして結果も何時も100%とはいかない。せいぜいのところ、7、80%といったところだろうか。 とすれば、もし“変身願望”を認めるなら、そしてメスでコンプレックスを解消するのが医療としての美容外科なら、なにも疚しさはないはずだ。 その不完全さだけが問題で、それをより完全に近くすべく努力するのが務めである、とこういうことになる。 ぼくはこうして自分のしていることに懐疑的になるたびに、“魔法使い論”に立ち戻って、躊躇う心にむち打ってきた。だが正直なところ今でも、完全に納得したわけではない。 ■
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by n_shioya
| 2008-02-27 22:23
| 手術
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![]() ケミカルピール、レーザーなど治療技術のセミナーと平行して、経営、税務、法律などのほかに、ホスピタリティのロールプレーを交えた、ジェイメックならではの、多彩な内容だった。 これからは医療も、質の高い“商品”を積極的にアピールする時代である。 ホスピタリティの部分など、看護師やコメディカルの方だけでなく、院長、経営者などにも聞いてほしいくらいの、濃い内容のものであった。 夜は帝国ホテルで、ジョンソンエンドジョンソンのヘルシー・ソサイエティ賞の授賞式と祝宴。 いわゆる著名人というより、現場でこつこつ日本人の健康のために寄与している方々を探し出して与える、真に有意義な賞である。 僕が賞をもらったわけではない、ただ、ご馳走を食させてもらったただけだが、久方ぶりに旧友にも何人か会えて楽しい会だった。 ![]() ■
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by n_shioya
| 2008-02-26 22:59
| アンチエイジング
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今日は暫くぶりにロータリーの例会に出席した。
何ヶ月ぶりだろうか? ![]() 元来は欠席した場合はその週のうちに、どこか別の支部の例会に出席して埋め合わす決まりだが、幸い僕の属する西北ロータリーはその辺はおおらかで、こちらも適当に出たり出なかったりしている。 だが、いつも出れば出たで楽しい会で、特に今日は出席して本当によかった。 ミュンヘン在住の音楽家松尾由香さんが、手勢「レジェンド」と引き連れてミニリサイタルを開いてくださったからである。 「レジェンド」とは国立音大の男性歌手達のグループで、オペラ、カンツォーネ、日本の歌曲など、食後にたっぷり聞かせてくださり、心身ともにリフレッシュして、銀座クリニックに戻ってきた。 午後はクリニックでNPO法人創傷治癒センターの運営会議。 ![]() 夜は夜で、ゼクスグループの社長と幹部の方々との夕食会。 ![]() 忙しいが有意義な一日だった。 ■
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by n_shioya
| 2008-02-25 22:58
| QOL
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ダボス会議から帰国した竹中平蔵氏は意気盛んである。
何せあの会議でまともに日本の立場を主張できるのは彼くらいだからだ。 福田首相はあの会議の意義も認識して無いだろうし、おそらく話の輪にも加われなかったろう。 英語だけの問題ではない。そもそも“言語不明瞭”だし、“斜に構えて意味曖昧”ではぐらかすことが特技のようだから。 ま、出ないよりましといった存在であろう。 その竹中平蔵氏が今週のサンデー毎日で、“東大民営化”を提唱している。 大賛成である。 現在の日本の政治、行政の混迷は、東大閥に権益が集中していることも一因だし、東大生の堕落にも繋がっている。 40年前の東大紛争は医学教育の改善を求めた、青年医師連合(青医連)の真剣な運動が発端だった。 それに対し、頑迷固陋な医学部教授連中は己の非を認めず、当時の東大総長も無能の極で、騒ぎはエスカレートして民生や全学連など政治運動が絡み、シッチャカメッチャカな学生運動となり、安田砦の攻防戦で学生側は敗北した。 そして医療改革の絶好のチャンスも失われた。 一時は紅衛兵を気取って、おっちょこちょいにも毛沢東語録をかざし、勇ましく“東大解体”まで叫んだ学生達だったが、土壇場では東大生は逃げ出し、安田砦に取り残されたのはほとんど外人部隊だったという。 そこに僕は東大生の限界と卑怯さを見せ付けられた。 僕は東大解体に賛成だった。 東大が消えても、京大や慶応に権力が移るだけでは、と言う反論があったが、僕はそれで結構、権力が分散し、競争原理が働くことが望ましいと感じたからである。 そもそも昔は大学進学はもっと自由で選択権があった。 哲学を志すものは京大、経済界なら慶応、、壮大な気宇にあこがれれば北大、文士になるなら早稲田、弁護士は中央等々。 東大はといえば、権力志向の固まりか、僕みたいに自分の実力に自信が無く、寄らば大樹の陰に身を寄せるような情けない奴の集まりだった。 もっと言えば、あの頃は無理に大学に行かなくてもよかった。 旧制高校という三年間のモラトリュームの期間があり、そこで人生とはんぞやと悩みつづけ、その上で大学に進む意義を認めれば大学にいった。 実際、旧制一高の仲間の中には大学に進学する変わりに、古本屋の親父になったり、蒲焼屋を始めた奴もいる。 そして彼らはそれなりに仲間から尊敬をされた。 だから僕は日本の活性化のために、竹中平蔵氏の“東大民営化”大賛成である。 まず独立行政法人でも続く文科省のくびきを絶ち切って、その上で権謀術策で無く、東大も実力で他大学と競争し、日本の大学全体がレベルアップしてくれることを切望する。 そしてこれが行政改革の根幹にメスを入れることにもなると信ずるからである。 ■
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by n_shioya
| 2008-02-24 20:07
| コーヒーブレーク
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一昨夜はN響の定期演奏で、モーツアルトの夕べを堪能した。指揮とオーボエは、もとベルリンフィルの首席オーボエ奏者、シュレンベルガーである。
曲はセレナード10番、歌劇イドメネオ、そして交響曲40番ト短調である。 ベルリンフィル風というか、カラヤン張りのメリハリの利いた明快な演奏だった。 自分は人が青春時代をベートーベンの運命とともに生きたか、またはモーツアルトのト短調とともに歩んだかで、区分けすることにしている、といったのは剣豪小説家、五味康祐だったと思う。 “運命の戸”を叩くダダダダーンという響きは重すぎ、かといってモーツアルトの“死と隣り合わせな”甘美なメロディーにも無条件で陶酔できなかった僕は、若い頃はシューベルトの歌曲に“隠れ家”を見出した。 戦前からのゲルハルト・ヒュッシュ、エレナ・ゲルハルト、ロッテ・レーマン、エリザベート・シュワルツコップ。そして勿論近年ではディートリッヒ・フィッシャー・ディスカウとペーター・シュライヤー。 彼らの歌い出すシューベルトの世界こそ、「汝れこそわが憩い」であった。 三大歌曲集、そしてあまたの歌曲。どれも珠玉としか言いよう無いが、唯一つをと言われれば僕は迷わずに「水の上に歌える」を挙げるだろう。 戦前の78回転のシェラック盤から流れ出るエレナ・ゲルハルトのメロディーはまさに天上の歌声であった。 LP盤以前の78回転のレコードは、一面の曲の長さが3分から5分ほどしかなかった。 ちょうどマッチ売りの少女が、マッチ一本が燃え尽きるまでの数分間を、繰り返しては暖を取ったように、細い鋼鉄のレコード針がシェラック盤から引き出してくるわずか数分のシューベルトの世界に、僕は繰り返し浸ったものである。 シューベルトの歌曲は一つ一つがそれぞれの小世界を描き出す。 三大歌曲集でも、「白鳥の歌」はハイネの詩集「帰郷」からの歌詞を多く含む遺作集だが、「美しき水車小屋の娘」と「冬の旅」はともにミュラーによる一連の青春の挽歌だ。 だが前者では、主人公は死によって安らぎを得るが、後者では墓場にも安住の地を見出せず、最後は琴引きの老人と救いの無い旅を続けることで終わる。 シューベルトはこの曲を書きながら、涙を流し続けていたという。暗い、暗い、だが名曲である。これを聴いた後では、人の心は元には戻れない。 そして僕は何時の頃からか五味康祐の顰に倣い、「冬の旅」を知っているかどうかで、人を区分けするようになってしまった。 ■
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by n_shioya
| 2008-02-23 23:25
| QOL
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![]() 去年、昔のブリッジが外れたのを機会に、本格的な歯の治療を始めてもう半年になる。 その時点ではほとんどの歯が歯周病か、もっと進行して抜歯が必要な腐れ歯に化していた。 以来、月2回ほどのペースで治療を受け、今日もたっぷり一時間、歯のお手入れを受けて帰ってきたところ。 テレビなどで、たとえばたけしの番組「本当は恐い家庭の医学」などで皆さん先刻ご承知だろうが、歯周病とは歯と歯茎の間にポケットが出来て、ばい菌が繁殖し始めた状態である。 糖尿病や動脈硬化の原因ともなり、それが悪循環を引き起こし,それこそ“ほっておくとコワーイことになりますよ!” ところで歯科衛生士の可愛いお嬢さんに、チクリチクリといじめられる歯の治療は、僕のマゾ嗜好を満足させてくれ、一石二鳥の効果がある。 だが実際にはお嬢さんの手際が良すぎて痛みはほとんど感ぜず、もっと痛くと頼むほどのサディストではないので、ただうつらうつらと心地よく寝そべっている姿は、ちょうど“千鳥がワニの歯をくちばしで突っついて掃除しているような図柄”ではないかと夢想している。 これほど歯のケアがきめ細かくなったのは最近のことなのか、ただ僕が不勉強なだけなのか、往年の劣等医学生は気になって主治医の鈴木先生にお伺いした。 歯周病と全身疾患との関係についてはアメリカでは20年ほど前から研究が盛んになったという。 日本ではその頃やっと正しい歯の磨き方の指導が始まったという。 アンチエイジング医学の三割は歯の問題である、と分かったようなことを説いてきた僕だが、鈴木先生のご説明を聞くほどに、歯周病対策の重要性を痛感し、その啓蒙の必要性と、医療保険の改善をこのブログで訴えていくことを決心した。 たとえば僕が今日受けた“ミス千鳥”による綿密な治療。診療報酬はいくらだと思います? わずか千数百円。コンビニのパートのお姉さんの時給に毛の生えたぐらいだ。 良い医療をするほどに赤字は増大します、と鈴木先生も嘆いておられた。 そして今僕は突飛なことを考えている。 いっそ、医者と歯科医の壁を取っ払ってしまったらどうか、ということだ。 医師は人間の臓器の一つとして、歯牙領域に理解を持つべきだし、歯科医も歯科治療という専門技を持った全身管理も可能な医師としての自覚と経験と誇りを持つべきであろう。 詳しいことは検討の必要があるが、僕が理解する限り、医師も歯科医師もカリキュラムのコアは共通するところが多い。そして今医師不足が叫ばれているなか、歯科医は反対に供給過剰になっている。 その点でも、医師不足を解決する合理的な方法ではなかろうか。 僕が現役の頃、僕の形成外科教室には医科歯科大学の歯学部から、口腔外科医や矯正歯科医が参加してくださっていた。彼らの医師としての資質や能力は医学部出身者となんら遜色は無い。要するに医学部出身であろうと歯学部出身であろうと、いい奴はいいし、駄目な奴は駄目なだけである。 たとえば、細菌感染の重要な形態の一つであるバイオフィルムに関する研究は、その全身への影響を含め、われわれ医学部に禄を食むものたちよりも、歯学部の専門家たちのほうが遥かに進んでいるようだ。 結論から言うと、歯学部も医学部も基本カリキュラムは一体化して、すべて医師として教育し、その上で歯科も医学の一専門分野と位置づける。勿論医師免許を一本化するには、ある期間の無理の無い経過措置が必要だ。 乱暴な話だと? われわれ外科医だって昔は床屋の仲間で、最近やっと内科医が医者の仲間に入れてくれたのはご存知でしょう。 また医師会なんてどうせギルドだから、この案には大反対だろうし、目下のところ、自分達の低レベルを維持するのに汲々としているから、無視してもいいだろう。 何、低級なのは歯科医師会も同列だって? それなら共同して切磋琢磨し、医療の現場に無知な、机の上の数値あわせに追われている霞ヶ関のなまくら村民のケツをひっぱたいて、医師のプロ意欲を喪失させるような医療制度を改めさせようではないか。 ■
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by n_shioya
| 2008-02-22 22:24
| 医療崩壊
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Comments(4)
華々しくスタートしたメディケアレジデンス、バーリントンハウス馬事公苑だったが、本体のグッドウィルグループの不手際で、手放すこととなったのはご承知のとおり。
幸いゼクス・グループがエンジェルの手を差し伸べ、今まで以上に安定して快適な老後生活が居住者に保障されることとなり、僕も顧問を続けることになった。 そのゼクスグループではすでにアクティブエイジという子会社が、ハイグレードな高齢者用レジデンス、チャーミングスクエア・シリーズを展開しているが、その五番目の「チャーミングスクエア白金」が完成し、昨日内覧会が開催された。 ロケーションは抜群で、僕が客員部長を勤めている北里研究所病院から歩いて5分ぐらいの白金台にある。 パブリックスペースが贅沢にとられており、クリニック、エステ、ビリヤードそしてもちろんしゃれた造りのレストランも準備されている。 僕も明日からでも、と思ったが何せ先立つものがない。 これからもクリニックでせっせと額に汗して、いずれは終の棲家をここにと夢見ながら、当分は苫屋住まいを続けることとする。 ![]() ![]() ![]() ![]() ■
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by n_shioya
| 2008-02-21 22:33
| 介護
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Comments(2)
ダナムラはニューヨークの北、カナダとの国境に近い田舎町である。
元来は良質な鉄鉱の産地で、スウェーデン鋼の産地ダナムラにちなんででつけられたという。 しかしニューヨーク子にとっては、州の刑務所(プリズン)の所在地として知られていた。 オルバニーからは双発のプロペラ機で一時間。 僕達は月に一回一晩泊まりで手術に行った。 空港からは迎えの車で、プリズンに向かう。小さな村ほどの施設を、高い城壁が囲っている。大きな鉄の扉が開き、車が入るとギーと閉まる。カフカの小説ではないが、もしこのまま開けてもらえなかったらと、馴れてきても不安のよぎる一瞬である。 中には独房、大部屋から、運動場、食堂、職員棟まで病院コミューニティを形成する要素はすべて完備している。 着いた晩は夕食を取りながら、担当医と手術の打ち合わせをする。 僕たちレジデントがここに来るようになったのは、形成外科による囚人のリハビリという、州政府のプログラムの一環だった ロンブロゾーではないが、囚人には人相で不利益を被っているものが少なくない。そこで顔の傷跡、喧嘩でつぶれた鼻、入れ墨など娑婆に戻っても更正のじゃまになりそうな要素を少しでも取り除いて、社会復帰に役立つかどうかの、実験であった。 とかく美容外科の手術は、スタッフが自分でメスを握り、レジデントには回さない。 刑務所は僕達レジデントの格好の練習場であった。 又、囚人たちにとっても、娑婆では目の飛び出るほどの高額の美容外科の手術を、無料で受けられるのでこんなうまい話はない。 しかも彼らは毎日退屈している。 麻酔が効かなくても、医師のメスを持つ手がふるえていても、じっと手術台におとなしく寝ていてくれる。 いつも助手をしてくれたのは、まだ若い、釈放間近の背の高い細面の模範囚であった。その後帰国間近になって、オルバニーのスーパーで声をかけられたとき、髪をきれいにとかし、こざっぱりとした背広姿の彼が、あのときの手術助手とわかるのには一寸間が必要だった。 この試みの結果については、長年の追跡調査が必要なこともあり、僕は承知していない。しかし、人相が与えるアク印象を和らげることは確かだから、何がしかの効果は期待できるのではないだろうか。 ■
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by n_shioya
| 2008-02-20 19:42
| 美について
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Comments(9)
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日) 以前の記事
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